第十八話 第三十四部 守備範囲
武蔵「(さて、初対面か。そして今日の試合でしか出来ない最後の対決か。)」
二回、バッターボックスには勝浦さんが入っている。暁美さんはどんな投球をしてくるのだろうか。
暁美「(これが高校三大バッターの一人…桜さんに投げている感じが良いかな。雰囲気も似ているし。)」
桜「さあ、気合いれていこう!」
暁美が足を上げると勝浦さんが早めにステップを踏む。球速が早いからそれに合わせるためだろうか。
シュゴオオ ブシィ バシン!
ストライクワン!
武蔵「(さすがにはええな。)」
タイミングはなかなか合っている。だけど…バットとボールの差が大きかった。あのノビは普通じゃない。
シュゴオオオオ ギィイン!
武蔵「(よし!)」
暁美「桜さん!」
打球はショートとセカンドの間。暁美の足元を抜けて…これはセンター前に!
桜「よっと。」
バシン シュッ バシン!
アウト!!
武蔵「(あれが追いつくのかよ。)」
桜さんが見事に打球を抑えてアウトにした。あの守備範囲、普通では考えられないものだ。プロも驚きの範囲だろう…。
バシーン! ストライクバッターアウト!
ばしーん! ストライクバッターアウト!
暁美「っし!」
暁美さんがあっという間に三振をとってしまった。どうやったらあの暁美さんから点を取ることができるのだろうか。ヒットが出ても点が取れなければ意味が無い。どうしたら…。
桜「さてと。私の出番ね。」




