第十八話 第二十五部 返してまたとって
館川「マジかよ…あの四番…。」
桃音「大丈夫ッスよ! とられたらこっちだってまた勝ち越せば良いだけッスから!」
武蔵「(あのバッターにはそれだけの実力があるからな。用心しなければ…。)」
バシーン! ストライクバッターアウト!
葛西「っし!」
ブン バシン ストライクバッターアウト!
六実「っと。」
その後、両投手の投手戦が続いていった。お互いにクリーンナップをしっかりとしとめていた。勝浦さんも桃音さんも二打席目は三振…。そして三打席目…。
ギィイイイイン!
六実「ライト!」
淳和「(ホームランは無い! だが桃音さんの足ならセカンドで刺せるはず!)」
バァン!
桃音「よし!」
ワンアウトから桃音さんがフェンス直撃の打球を打った。そしてファーストベースを蹴って二塁へと向かう。
淳和「セカン!」
シュゴオオオオ
桃音「うおっ!」
バシーン!
審判「セーフ!」
桃音「あぶあぶ…。」
上野「惜しいよ惜しい! 次はアウトにしようぜ!」
ツーベースを打った桃音さん。カーブ、カーブからのストレートで振り遅れたものの、スイングスピードが早いから丁度よくライトへの長打へとなっていた。なんというパワーの持ち主なのだろうか。そして次は豊田さんがバッターボックスに入る。
ギィイイン!!
六実「センター!」
豊田「俺だってやれるんだ!」
下野「くそっ!」
ドンッ
桃音「ナイスバッティングッス!」
五番の豊田のタイムリーツーベース、これで関西大阪がまた一点勝ち越すことができた。もう終盤へと入ってきている所だ。だけど…六実さんだった負けていないはず。
日向「オーライ!」
バシン! アウト!
後続はしっかりと断ち切ってベンチへと戻っていく。この回は淳和さんからの打席なはず。きっと…やってくれるはず!
六実「頑張れ! 淳和!」
六実さんは決して諦めるような顔はしていなかった。私達と戦っていたときと同じように…真剣な表情で…。もう疲れとかがかなり出てくる頃だというのに…。
ギィイン!
淳和「よし!」
武蔵「ナイスバッティング!」
淳和さんが綺麗にレフト前へとヒットを打った。これでまだ望みがしっかりと出てきた。そして…四番の勝浦さんへと…。
葛西「(踏ん張り所だな。)」
桃音「(良いところでこのバッターが来たッスね。)」




