第十八話 第二十三部 ホームランの数は
桃音「さて…いよいよね。」
六実「(桃音さん…。悪いですがここは打ち取らせていただきます!)」
六実さんと桃音さんの対決、一打席目から伝わってくるピリピリとしたムード、淳和さんも真剣なまなざしで前を見ている。今は…お互いを信じてみているしかない。応援も一段と大きくなっていく。
葛西「安富さん! 落ち着いてお願いします!」
対馬「さあ、思いっきり行きましょう!」
桃音さんがドッシリと構える。それに対抗するように六実さんも大きく深呼吸をして構えている。時間が…遅く感じる。
由紀「さて…。」
暁美「初球は…何が来る!」
六実さんが足をあげて踏み込む。桃音さんも足を上げてステップを取る。
シュルルルル
由紀「(カーブ!)」
桃音「(決め球からね…! なら勝負!)」
ギィイイイイイイン!!!!
六実「なっ!?」
対馬「レフトー!!」
打球はものすごく高いフライになる。高く高く…しかし遠くにどんどん飛んでいく。いったいどのくらい飛ばしているのだろうか。レフトは打球を見ながら後ろへと下がっていく。
日向「どこまで飛ばすんだよ!?」
淳和「バックですバック!!」
レフトが大きく下がっていくがフェンスも近づいていく。そして…。
ガシャ
日向「えっ?」
ポーン!
桃音「しゃあああ!!」
葛西「ナイスバッティング!!」
桃音さんが力で持っていくホームランを打った…なんてパワーをしているのだろうか。
由紀「スイングもそうだけどあの手首の柔軟さと力強さ、すごすぎる。」
六実「力だけであそこまで持っていくなんて…さすが桃音さん。でも試合は終わったわけじゃない。」
武蔵「そうだ、まだ二回だ。気合入れていくぞ!」
桃音「(さすがにメンタル強いわね。でも私だって負けないわよ。)」
桃音さんのホームラン…これで甲子園で何本目なのだろうか。しかし六実さんの顔もまったく動じてない。そうだ、まだ試合だって二回の表だから…終わってない!




