第十八話 第四部 たった二球で
由紀「(正直言うと…私と同じで勝てる気がしない。相当なバッターだし…プロでも相当上を目指していけるぐらいの人だ。)」
亜弓「(私の全てをぶつけて…戦いにいく。今後この人と勝負できるのは…もっと別の世界かもしれない。だから…今だから!)」
桃音「いいね…勝負しているんだ。」
桜「さてと…勝負ね。」
桜さんがかなりゆったりと構えている。落ち着いて…リラックスした様子で。でも…かなりの威圧感が私の心に襲い掛かっている。これが…三年生。だとしても…それに立ち向かうだけ…!
シュゴオオオオ バシン!
ボールワン!
由紀「いいよいいよ。球走っているよ。」
桜「(たしかにすごいストレートだ。球の雰囲気は違うけど暁美と同じぐらい打ちにくい。)」
私はテンポよく腕を振り上げる。そして思い切り…踏み込んで由紀のミットに!
シュバァアアア
桜「(でも…ストレートだけなら…!)」
ギィイイイン!
亜弓「えっ。」
由紀「ライト…!」
打球はライト線上へと飛んでいく。弾丸ライナーで線上に落ちる。
ドッ
暁美「ナイスバッティング! ライトヒットだ!」
私のストレートが…たった二球で…。




