第十七話 第六十四部 終わらせない
卜部「(終わったわけじゃない。思い切りいけばまだ望みがある。)」
ワンアウトになってバッターは卜部先輩。これだけ回ってきているのだからきっと捉えてくれるはず。当たって飛んでいく場所が悪くなければ…。
六実「ふぅ…。(体力もそろそろ限界に近いけど…まだ投げられる。)」
六実さんだって同じはずだ。私と同じマウンドで投げているのだから疲れているはず。そこを狙っていけば…。
シューーー ググッ バシン!
ボールワン!
卜部「(球は見れる。後はしっかりと当てないと。)」
シュゴオオオ バシン!
ストライクワン!
対馬「ナイスボール!」
シューーーー
卜部「(振れ!)」
ギィイン!
下野「オーライ!」
センターへ高いフライ。これは簡単に捕られてしまいそうだ。打てそうで打てない。この状況は何なのだろうか。
バシン! アウト!
武蔵「よし、ツーアウト!」
これでツーアウト。府中先輩が打ってくれないと…次に繋げるのは難しくなってくる。
府中「ふぅ…。」
卜部「すまない…たのんだぞ。」
府中先輩がすごい集中力でバッターボックスに入る。ここから…ここからだ。まだ終わらない。
六実「落ち着いて…。ふっ!」
シュゴオオオ
対馬「(やべっ、甘い!)」
府中「いけっ!」
ギィイイイン!!!
芦毛「よっしゃ! 伸びろ!」
打球は右中間へとグングン伸びていく。これは…入るか!?




