第十七話 第六十二部 立ち向かう意思
友亀「タイムお願いします。」
友亀さんがタイムをかける。内野の人たちがマウンドに集まる。この大事な場面…どうしていけば…。
亜弓「すみません、私のせいで…。」
友亀「いや、大丈夫だ。それより次だ。一応塁は空いている。ここをどうするか…。」
由紀「勝負でしょ!」
外野からやってきた由紀が私に声をかけてきた。由紀が…自信満々の顔で私に問いかけてくる。
由紀「勝負だよここは。それだけでも心の強みがあるし…。なにしろここを抑えて勝つのが私たちでしょ!」
池之宮「そうだな…。」
新天「こっちに打たせていいからな。」
卜部「絶対後ろにはいかせない。」
栗山「よっしゃ! いこうか!」
友亀「…自信持っていけ。」
私は皆に声をかけられて守備位置へと戻っていく。これだけ信頼されていて…打たれても良いから勝負してと言っている。そしてなによりも…私が抑えてくれること皆は願っている。だから…私は…。
亜弓「負けない。」
私は自分に言い聞かせるように言う。そして目の前に迎えている勝浦さんを見た。絶対に…抑えてみせる。
武蔵「(最初の雰囲気が見えるな。思いっきり来るな。)」
私はサインに関係なくワインドアップで腕を上げる。もちろんながら淳和さんは走る。それでもいい…。思い切りなげて抑えれば!
シュバァアアア ブシィ バシン!
ストライクワン!!
六実「空振り…。」
武蔵「いいねえ。」
とんでもないスイング。当たれば簡単にホームランにされてしまいそうだ。だけど…私だって簡単に打たせるつもりはない。ここまでこれたのも仲間たちと…由紀のおかげだから!
シュバァアアア ギィイイイン!!!
由紀「(切れる!)」
打球は完璧なホームラン。しかし引っ張りすぎていてファールゾーンへと入っていく。今は大丈夫。ここまで飛ばされるのは覚悟している。だけど…当てさせなければ。
由紀「亜弓!」
由紀の声が聞こえる。私は深呼吸をし、前を向く。あの…ミットめがけて…私のストレートを…!
武蔵「(雰囲気が…いや、なんだこれは!?)」
暁美「(おお。)」
シュバァアアアア
友亀「(真ん中!? いや、伸びる!)」
武蔵「らぁあ!!」
ブシィ!!! バシン!
ストライクバッターアウト!!
亜弓「しゃあああ!!!」
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