第五話 第十三部 攻略の糸口
これでツーアウト、八者連続三振だ。先輩たちとの紅白戦みたいに最初は三振を取れている。次の回から同じように三振をとれるかどうかが合宿の成果の試されるときだ。でもその前に今目の前のバッターをしとめなければ。
設楽「すまねえ。」
塚和「ダメだったか。」
設楽「しんじられねえ、あんな球見たことねえ。」
牛田「それは分かってるから。それより、次は打てそうか。」
設楽「あぁ。あんなハイペースで投げてりゃそう長くは持たないだろう。」
坂田「そしたら俺達でも捕らえられそうだな。」
設楽「ワンテンポ早く始動したほうが良いかもな。」
大島「それって、いつもより早めに振った方が良いってことか?」
塚和「そうなるな。」
牛田「たのむから早めに点は取ってくれよ。抑えている俺だって大変なんだからな。」
設楽「分かってるって。あの球の速いアイツから打って、この試合終わらせてやるぜ。」
バシーーーン
ストライクバッターアウト!
亜弓「ふぅー。」
最後は高めのストレートで空振り三振にとった。これで九者連続三振、上出来すぎる。このまま抑えていけば後ろが打ってくれる。
由紀「ナイスバッティング!」
由紀がうしろからグローブでポンと叩いた。自然と笑顔がこぼれる。もし三振が途絶えても後ろが守ってくれる。これなら大丈夫!
瞳「亜弓ー!由紀ー!」
上のベンチから声が聞こえた。見上げるとそこには真希と瞳がいた。そしてその横には千恵美先輩と恵美先輩もいた。
真希「頑張って!」
由紀「がんばるよ!」
私たちが挨拶してると後ろから全力で走ってきた人がいた。
海鳳「恵美先輩! ホームラン打つので見ていてください!」
恵美「はいはい、わかりました。」
か、海鳳。そのテンションの変わりようは一体何なのだろう。