第十七話 第六十一部 最大のピンチ
上野「(よし、頼むぞ。)」
亜弓「ふぅ…。」
一番の上野にヒットを打たれてしまった。でも落ち着いていかないと…この後も連打を浴びてしまう。だとしても…ストレートでないと打たれる可能性が高い…。
館川「(頼むぞ日高。何かあったら俺たちがマウンドに向かうが…いまのままだと止められないぞ。)」
安芸「お願いします!」
二番の安芸がバッターボックスに入る。ここからでも…抑えていかなければならない。ワンアウト。アウトは一つとっている。だから…。
友亀「(諦めるなよ。)」
安芸「(バントなら…!)」
私はセットポジションに入り足を上げる。走らない。ならストレートで!
シュゴオオオ コツン!
友亀「サード!」
簡単に送りバントをされてしまった。サードの新天が突っ込んでボールをつかむ。
新天「(セカンドは間に合わない。ファーストだ!)」
新天はしっかりと体勢を立て直してファーストへと投げる。
シューーーバシン! アウト!!
淳和「ナイスバント!!」
武蔵「さあ、吉祥寺頼むぞ。」
ツーアウトランナー二塁。ここでバッターは淳和さん。外野は一点を取られないために前進守備になっている。落ち着いて…落ち着いて!
シュゴオオオ
淳和「(甘いよ! 落ち着いてないね!)」
ギィイイン!!
亜弓「あっ!」
打球はライト前へと飛んでいく。ライトの府中先輩が捕球してホームへと返す。
府中「らあ!」
シューーー バシン!
セカンドランナーはホームに突っ込んでこなかった。しかし…ツーアウトランナー一三塁。そして…ここで迎えるバッターは…。
ウグイス嬢「四番、ファースト、勝浦君。」
六実「勝浦さん。」
武蔵「ああ、確実にしとめてくる。」




