第十七話 第六十部 必死になって
私はマウンドで大きく深呼吸をして前を向く。バッターは九番バッターの下野からの打順。ここからどうやって抑えていけば良いのだろうか。いや、そんなものは決まっている。ストレートで押していかなければ…!
シュゴオオオオ バシン!
ストライクワン!
ストレートが見事に決まる。疲れていても…投げていけばこのストレートで抑えることができる…!
下野「どうにかして一点取ればさらに楽になる。だから俺が決めるんだ!
私は大きく振りかぶる。そして目の前のミットめがけて思いきり…!
シュゴオオオオオ バシン!
ストライクワン!
下野「(やはりやるな、球の勢いが全く衰えていない。)」
ストライクはなんとか入る感じ。しかし構えている所にはなかなか投げにくい。だけど…思い切り投げれば!
下野「(甘い球なら対応ができるか…!)」
シュゴオオオ ギィイン!
卜部「っと!」
バシーン! アウト!!
打球は卜部先輩の真正面。かなり厳しい状況ながらもしっかりと投げて抑えることが出来ている。仲間たちに助けられての試合。一人じゃない、皆が…。
上野「ドンマイだ。だけど捉えてきている。これならしっかりと塁に出ればまだ望みはあるな。」
下野「兄貴、頼むぜ。」
ここで一番バッターに回ってきた。ここからかなり厄介になってくる。だけど…私は…まだ負けられない!
シュゴオオオオ
友亀「(ど真ん中は厳しいぞ。)」
ギィイイン
上野「っしゃああ!」
打球はセンター前へと抜けていく。またヒットを打たれていく。なんとか…なんとかしないと。




