第十七話 第四十一部 エンドラン&バント
ギィイイン!
卜部「(逆つかれた!)ちくしょう!」
卜部先輩は完全にセカンドベースへと向かおうとしていたため、打球に反応することができなかった。そしてライトへと打球が転がっていく。ランナーは走るかどうか見極めている。
府中「(させるか!)」
下野「(無理だ。突っ込んだらアウトだ。)」
シューーー バシン!
新天「ナイスライト! 日高、ドンマイドンマイ!」
友亀「(変化球を狙われているのか? だとしたらマズいな。)」
変化球を捉えられてピンチが広がっていく。そしてワンアウト一二塁と広がっていった。空気が重い。何か変な気分だ。次のバッターが入っていく。二番の安芸がバッターボックスに入った。
安芸「(サインはバント。下野、いけるなら本塁こいよ。)」
下野「(おっけ。)」
私はセットポジションに入り、サインを見る。ストレート、私がこのチームに勝つにはこれしかない…!
シュッ
安芸「(一発できまってくれ。)」
新天「(バント!)」
コッ
バントした打球はサード線上へと転がっていく。サードの新天が素手でつかみ、ファーストへと投げる。
シュッ
下野「(勝負!)」
ダッ
栗山「走った!」
私はハッと振り返る。サードランナーがホームへと全力で走っていく。ボールは池之宮のいるファーストへ向かって…。
バシン! アウト!
池之宮「させるかっ!」
シュッ
友亀「なっ!?」




