616/835
第十七話 第三十八部 本当に勝てるのか
亜弓「由紀、ゴメン。」
由紀「大丈夫だよ。亜弓はこの後のピッチングに集中して。点は私たちが必ず返すから。」
亜弓「ありがとう。」
私はすぐにグローブを持ってキャッチボールの準備をした。だけど…バッティングでも貢献したい気持ちがある。六実さんから打って自分自身を助けたい。なのにあの人はそれを全くさせないピッチングをしている。私はストレートで力押しをしているけど、六実さんは考えて投げている。その違いがモロに出てしまっている。この差は歴然としている。本当に勝てるのだろうか…。私たちは…負けてしまうのではないのだろうか。
バシン! ストライクバッターアウト!
六実「よし!」
淳和「ナイスピッチング!」
亜弓「ふぅ…。よし。」
私は大きく深呼吸してマウンドへと向かっていく。そしてゆっくりと体を動かして前を向く。六回まだ負けていないから分からない!




