第十七話 第三十二部 まだ次がある。
亜弓「由紀…。」
由紀「ごめん、亜弓。でも…次は打てるよ。」
亜弓「うん、由紀ならできるよ!」
私は由紀とハイタッチをして気合を入れなおした。まだ皆の目は戦いの気持ちが混みあがっている。大丈夫、私たちならこの状況を打破できる…同点、逆転することが出来る!
淳和「ナイスピッチング。」
六実「ありがとう。でも厳しいよ。これだけのメンバーがいるのだから投げるのにも一苦労だよ。」
武蔵「けどそんな中投げてきたのだから誇りを持っていいぞ。それにまだ試合は終わっていないからな。この後も頼むぞ。」
私はマウンドから投球練習をしながら周りを見た。気合を入れて守っている。焦りを見せている人なんて全くいない。由紀も元気良く声をかけて守っている。これなら次に期待できる…!
友亀「しまっていくぞ!」
五回の表、この回からは対馬から。そして伊勢、日向と続いていく。五番からでも十分なほどの重量打線。しっかりと攻めて行きたい所になってくる。だけど私も打たれるわけにはいかない。チームのために…全力でなげて抑えてみせなければ…!
シュゴオオオ バシン!
ストライクワン!
対馬「(先輩の言った通りだ。さっきよりストレートが伸びてくる。それに当てれば富んでいくなんて考えないほうが良いかもしれない。相当な威力もある。思い切り振りぬかないと外野までは持っていけない!)」
シューーー
対馬「(カットボール!)」
グッ ギィン!
打球はファーストの頭上を襲う。ファーストの池之宮は大きくジャンプした。
池之宮「っら!」
バシン! ドスン
アウトー!
対馬「(でけーんだよあのファースト!)」
卜部「ナイス池之宮!」
亜弓「ナイスキャッチ!」
池之宮は無言でボールを返してくれた。しかし顔には嬉しそうな表情が見えていた。やっぱりファインプレーをすると笑顔がこぼれるよね…。
伊勢「変化球なら合わせられそうだな。」
対馬「はい。ですがそれを逃したら…。」
伊勢「わかっている。」
南北海道 純涼高校にて
初宿 茜「すごいね…甲子園って。早く行ってみたいなあ。」
「おーい、初宿。お客さんだよ。」
茜「あ、はーい。」
ドッドッド
茜「ん? これは?」
「今日から野球部に入る…。」
エヴリン「わたし、エヴリン・ブルースター。これからヨロシクね。」




