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ドクターK少女  作者: レザレナ
第十七話 亜弓対六実 三回戦、御影大松戸高校
607/835

第十七話 第三十部 少しの隙を

 シュゴオオ ブシィ バシーン!

 ストライクワン!

新天「(このコースは無理だったか。)」

対馬「(思い切り振ってきたな。悪あがきか? それとも…。)」

 新天の顔色は落ち着いていた。でも…体からは絶対に打ってみせるというオーラが見えた気がした。あの気持ちの入り方は何かやってくれそうな気がする。

由紀「(次は私。もし新天が塁に出ればホームまで返せる方法としては左中間に打つしかない。しかし六実さんの球を打つにはかなり技術がいる。だとしてもわたしなら出来る。)」

 シュゴオオオ バシン!

 ボールワン!

対馬「(あれ、このコース前にストライク言ってなかったか? まあ仕方ない少し外に出たのだろう。)」

新天「(ストライクかと思った。)」

 ギリギリの所を投げてくる六実さん。そしてギリギリで見極める新天。甘い球が行けば持っていけそうな気がする…。

六実「(サインは…カットボールね…。)」

 六実さんがサインにうなづいて腕を上げる。そして踏み込み投げる。

 シュッ

六実「(あっ、コースはいいけど曲がらないと思う…!)」

対馬「(これはヤバイ。)」

新天「(これしかない!)」

 シューーー ギィン!

海鳳「よっしゃ!」

 打球はピッチャーの頭上を越えてセンター前へと飛んでいった。変化しなかった球をしっかりと捉え、綺麗に打っていった。新天は一塁ベースを踏むとオーバーランをしてベースへと戻っていった。

新天「……よし。」

 新天はスタンドに向かって軽くガッツポーズをとった。それに観客席が答えて声を上げる。そして…名前が呼ばれる。

ウグイス嬢「六番、レフト、羽葉由紀。」

由紀「……お願いします!」

 由紀がバッターボックスに入る。ただ、それだけでも球場は大きく沸いた。ここまで高打率、おそらくこの夏の大会で一番の打率を残しているかもしれない。だから…ここ一番で期待できる。

六実「さてと…勝負ね。」

由紀「ふぅ。」

 由紀は右打席に入りゆっくりと構える。セットポジションになったとしても六実さんの球威やコントロールが変わるわけでもない。

新天「(お前にまかせたぞ。)」

武蔵「(大丈夫、遠江ならやれる。)」

 サインにうなづいて腕を振りかぶる。そして…大きく腕をしならせて。

六実「っふぅ!」

 シュルルル

由紀「(初球から…! 行く!)」

 ギュルル ブシィ バシン!

 ストライクワン!

由紀「えっ。」

 由紀が…空振りした…!?


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