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ドクターK少女  作者: レザレナ
第十七話 亜弓対六実 三回戦、御影大松戸高校
596/835

第十七話 第十九部 振り方も

由紀「亜弓、ゴメンね。」

亜弓「大丈夫だよ。私のやることはこれ以上点を取られないように投げるだけだから。」

由紀「そうだね。次は必ず戻ってくるから。」

 私は由紀とグータッチしてマウンドへと向かっていった。二回の裏の攻撃が終わって次は三回の表、この回の先頭バッターはたしか六実さんからだったはず。

六実「ナイス送球。」

淳和「ありがとう。次打席でしょ? 頑張って。」

六実「うん。」

武蔵「さっきのは仕方ないな。相手も本気で点を取りに来ている。自信を持って投げろ!」

六実「はいっ!」

対馬「勝浦先輩。俺のリード、あのキャッチャーに読まれていました。羽葉のヒットはぐうの音が出ませんが…。」

武蔵「そうだな。…常に警戒を怠らないように、リードの仕方を変えてみろ。」

対馬「はいっ!」

 ロージンバックをポンポンと二回手にあててベース横に置く。息は吹きかけず、グローブにボールをパンパンと投げるようになじませた。そして右打席には六実さんがいる。打撃だと少し雰囲気が変わる。かなり冷静に構えている。そしてプレイがかかると友亀のサインが来る。初球スラーブを内角に…!

 グググッ バスン

 ストライクワン!

六実「(変化球だったから分からないけど…少し出所が分からないようには見えたわね。)」

 何かじっくり見られているような気分だった。早く抑えないと情報を持っていかれそうだった。それを分かっているかのようにサインが来た。次はサークルチェンジ。低めにボールになっても良いから!

 シュッ グググッ バシン

 ストライクツー!

六実「(これも入るのね。でもさっき私がドロップを投げたときと同じコースだからそうだよね。)」

 ツーアウトに追い込まれたとしてもまだ表情は変わらない。いたって冷静だ。私はボールを受け取ると感触を確かめるように握った。

友亀「(次はカットボールで。)」

 私はサインにうなづいて振りかぶる。あのミットめがけて!

 シューーーー

六実「(ストレートじゃないね!)」

 グッ ギィン ガシャン!

 ファールボール!

由紀「(やっぱり振り方…。)」

友亀「(なんだ…?)」

 フォロースイングが最後の最後で左手を離すように振った。別に負担がかかるわけじゃないけど…やっぱりちょっと変にも見えた。私はボールを受け取り、サインを見る。

友亀「(これならストレートで抑えられる。)」

 ストレート。構えている場所は内角。私は足を上げて大きく踏み込む。

亜弓「っふ!」

 シュゴオオオオ

六実「(これね! すごい…!)」

 ブシィ ズバァン!!

 ストライクバッターアウト!

亜弓「っし!」

 これで前の回から続いて四連続奪三振、六個目の三振を取った。

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