第十七話 第十四部 始まったばかり。
対馬「すみません。」
伊勢「仕方ない。俺が打ってやる!」
次のバッターは六番バッターの伊勢。長距離も打てるパワーヒッター。だとしても当てられなければまず始まらない! 抑えてやる!
暁美「先取点は御影大松戸みたいだね。」
桜「あのストレートをいきなり打つなんてさすが勝浦ね。」
桃音「それに流しだったからね。」
桜「流しなら私の方が得意わよ。」
瞳「大丈夫? 亜弓一点取られちゃったよ。」
真希「こんなに早く一点が取られてしまうなんて。」
千恵美「でもまだ試合は始まったばかりよ。」
恵美「そうね、まだ試合はどうなるか分からない。」
美琴「うん! くよくよしても始まらない。声かけてあげないと。」
「がんばれ! 亜弓!」
スタンドから私のことを応援してくれている人がいる。その声にこたえないと…!
シュゴオオオ バシーン!
ストライクワン!
伊勢「(ああ、なるほど。こりゃやべぇや。)」
初球高めだったが、上手く入った。ストレートならまだ向こうも目が慣れていないみたいだ。
シュゴオオ ブン バシーン!
ストライクツー!
伊勢「(振り遅れる。分かっていてもヤバイ。)」
思いっきり投げたストレートは真ん中近くだったが、また空振りした。しかも相手は振り遅れている。これならストレートで…!
シュゴオオオ ブン バシーン!
ストライクバッターアウト!
亜弓「っし!」
二者連続奪三振、これで四つ目の三振を奪った。




