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ドクターK少女  作者: レザレナ
第十七話 亜弓対六実 三回戦、御影大松戸高校
588/835

第十七話 第十一部 ものすごい変化球

ウグイス嬢「三番、センター、海鳳君。」

海鳳「っしゃ!」

 海鳳は声を出して気合を入れた。そしてバッターボックスは右側に立った。そして最初からあの構え、必ず打ちに行く体勢を取った。

対馬「(こいつのセンスはかなり高いものをもっている。慎重にいかなければ。)」

 サインにうなづいた六実さんは足をあげて投げる。

 シューーー グッ バシン!

 ボールワン!

対馬「惜しいよ惜しいよ! 次入れていこう!」

海鳳「(さすがのコントロールだな、意図的にギリギリボールになる球を投げてきやがった。簡単に打たせないつもりか。)」

 シューーー ギィン! ガシャン!

 ファールボール!

 二球目は振っていき、真後ろへと飛んでいくファールボール。ワンストライクワンボールのカウントになる。六実さんも集中してしている様子だった。簡単に打たせるわけにもいかないのは向こうだって同じはず…!

対馬「(ここで使おう…!)」

 サインにうなづき六実さんが足を上げる。

六実「ふっ。」

 シュッ

海鳳「(なっ!?)」

由紀「えっ!」

 ギュルルル ブシィ バシン!

 ストライクツー!

 な、何今の変化球…。あんな曲がり方をする変化球はいままで見たこと無い。カーブ? にしてはものすごい曲がっている。球速もカーブほど遅いわけではない。スライダー? いや、別のものだ。

海鳳「(カーブ? にしては落ちたな。鋭く落ちて…ドロップカーブか? それも球速の速い…すげえ!)」

 海鳳は嬉しそうにまたバッターボックスで構える。それは海鳳だけではない。由紀もワクワクしながら見ている。早く打ちたくてたまらない。そんな気持ちがこみ上げているのが分かった。

対馬「(最後はストレートで!)」

 シューーーー

海鳳「(今打てるのはこれぐらいか…!)」

 ギィイイン!

池之宮「上げすぎだ!」

六実「センター!」

海鳳「ちぃっ!」

 打球はセンターの方へ高いフライ。ゆっくりと手を上げて捕球体勢に入った。

 バシン! アウト!

対馬「ナイスセンター!」

淳和「ナイスピッチング!」

 こっちも三者凡退でスリーアウトチェンジになってしまった。私は深呼吸をしてグラブを叩いた。マウンドへ向かうと共にベンチを見る。次のバッターは…高校三大バッターの一人、勝浦武蔵さんとの…対決だ…!

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