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ドクターK少女  作者: レザレナ
第十七話 亜弓対六実 三回戦、御影大松戸高校
586/835

第十七話 第九部 初球打ち

淳和「お願いします。」

 淳和さんは丁寧に挨拶をすると、バッターボックスでしっかりと足場を作り、構えた。淳和さんとの…初対決。やっぱり雰囲気がある。

友亀「(やけに集中しているな。まあストレート投げさせれば関係ないか。)」

 サインはストレート。内角低めに要求している。私は振りかぶり、しっかりと体のバランスを支えながら…!

亜弓「っらあ!」

 シュゴオオオオ

淳和「(タイミングは早めに! って伸びる!?)」

 ギィイイン!

亜弓「えっ!?」

友亀「ライト!!」

 打球は勢い良くライナーでライト方向へ。まさか初球から…ストレートを打たれるなんて。全く考えてもなかった。私のストレートが…!

 バシン! アウト!

府中「あの人すごいな…。ナイスピッチング!」

由紀「いいよ! 抑えたよ!」

 ライト真正面のライナーで結果的にはアウトになり、スリーアウトチェンジになった。私は走ってマウンドから降りていくと由紀が近くに寄ってきた。

由紀「ナイスピッチング! 打たれたのは仕方ないよ。やっぱり今日の相手は違う。でも亜弓なら抑えられるよ!」

亜弓「由紀…ありがとう。」

 私は由紀とハイタッチしてベンチへ入った。三由さんが飲み物を用意して待ってくれていた。

三由「よかったよ。」

亜弓「ありがとうございます。」

 バシーン!

 私が飲み物を飲んでいると、向こう側で良いミットの音が聞こえてきた。六実さんが…投げているのかな。

対馬「っしゃあ! こっちもしまっていくぞ!」

 キャッチャーの声でこちらの攻撃が始まる。先頭バッターは卜部先輩。できるだけ多くの情報が欲しい…。

対馬「(初球はここに。)」

 六実さんはサインにうなづくと腕を振りかぶらず、胸の辺りで止める。そして足を少し高くあげて投げ出す。オーバースロー…!

 シューーー バシン!

 ストライクワン!

芦毛「!!」

卜部「(おいおい、めっちゃくちゃ厳しいところ投げるじゃないか。)」

 低めギリギリが入った。偶然じゃない、ミットは全く動かさずに投げていた。このコントロールは…前の試合の松本投手の比にならないぐらいのレベルだ!

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