第十七話 第七部 見守る人と試合開始
三由「がんばれ…亜弓。」
観客席
瞳「相手も女性選手いるみたいだね…。」
真希「大丈夫かな…。」
千恵美「心配ないわよ。」
恵美「亜弓はここまで良いピッチングを見せてくれたから心配する必要は無いわ。」
美琴「信じることが一番の応援になるよ。」
萌「打たれたら許さないんだから。」
美和「なら打たれないように応援しなさいよ。」
優衣・香澄・久美「フレーフレー!」
綾「あゆみ!」
春香「頑張ってね!」
紀子「これは…絵になるわね。」
涼香「熱いから…体調には気をつけてもらわないと。」
亜弓母「亜弓が投げるのね。」
亜弓父「どんな結果になっても…本当に家族の誇りだよ。」
テレビの人たち
暁美「お、やってるね。」
桜「どっちが勝つのだろうね。」
瑞華「亜弓と由紀…そして六実先輩と淳和先輩。」
桃音「良い試合を見せてくれよ。」
巴美羽「へぇ…由紀がスタメンかあ。」
阿湖音「あ、テレビでやっているんだ。フフフ。私がここから素晴らしき力を与えよう…ふふふ。」
秋葉「レナ! 試合やっているわよ!」
レナ「オー! 本当ダ!!」
理恵「ふぅ…テレビ…あ、亜弓投げる!」
みちる「衣世。試合やっているわよ。」
衣世「お、由紀がでるのか。」
真菜「甲子園…女性選手同士が戦うのは良いわよね。」
佐奈「うん。お姉ちゃんもここで投げていたよね。」
バシーーン!
友亀「ボールバーック!!」
友亀が声をかけて全員に指示をだす。私はセットポジションでクイックに入る。
シューーバシン!
友亀「しっ!」
シューー バシン!
栗山「ナイスボー!!」
内野でボール回し、そして最後に私の元へボールが帰って来た。いよいよ…勝負の時なんだ。
ウグイス嬢「一回の表、御影大松戸高校の攻撃、一番、セカンド、岩代上野君。」
上野「(さーてと…気合いれていっか!)」
パーーーパパパーーー
向こうの応援席から大きな応援が聞こえてくる。そして…このバッターが上野さん。他の選手とは明らかに雰囲気が違う。あの松本投手にもあったような雰囲気が。でも…私はこの相手と戦えることがすごくうれしい。そして…勝ちたい!
審判「プレイボール!」
ウーーーーー
サイレンの音が鳴ると共に私は大きく振りかぶる。サインは無い。何故なら思い切りストレートを投げろという話を試合前に話していた。だから…思いっきり腕を振って!
亜弓「っら!」
シュゴオオオオ
上野「(高め甘い球だと!?)」
ギィン! ガシャン! ファールボール!
友亀「(いきなり当ててくるかよ。)」
上野「(やっべ、ボール球じゃねえか。なんだあのノビは。)」
いきなり高めのボール球を投げてしまったが、手を出してきてくれた。しかし当ててきた。なんて選手なのだろうか。私は返球したボールを受け取ると深呼吸した。こういうときこそ落ち着くべきだ。
由紀「亜弓! 大丈夫だよ!」
由紀からの声もかけてもらっている。自信を持って投げれば…抑えられる!
シュゴオオオオ ブン バシーン!
ストライクツー!!
友亀「ナイスボール!!」
上野「(だから何なんだよこのノビは。)」
私の球が通用している。向こうも負けじと振ってくるけど…当てられなければ、そしてヒットにならなければ勝てるんだ!
シュゴオオオオ
上野「(低め…入るか!)」
ブシィ! バシーーン!
ストライクバッターアウト!
亜弓「っしゃああ!!」
由紀「ナイスピッチング!!」
私は先頭バッターの上野さんから三振を奪うことができた。よし、私の球は通用する!




