第十六話 第三十一部 悔いはない。
松本「大嶺、すまないな。ここで終わってしまって。」
大嶺「何言うんだ。お前のおかげでここまでこれたんだ。それに…。」
鬼頭「俺たちは全力を出し切ってこの試合に挑むことができた。そして負けた。」
寺西「最高の甲子園だったよ。悔いはない。」
松本「そうか…。俺も悔いはないぜ。あいつと戦うことができたことが最高だ。そして…このメンバーで戦えたことが本当に最高だった。ありがとう…。」
大嶺「俺たちは終わったわけじゃねえよ。まだ大学もあるし…松本はプロだってあるだろ。」
松本「プロ…。」
大嶺「そうだ。お前ならいけるはずだ。応援しているからな。」
松本「ありがとう。お前らもプロに来いよ。」
鬼頭「まかせろって!!」
府中「ナイスピッチング、芦毛。」
芦毛「お前のリードがあったからこその投球だ。ナイスリード、府中。」
卜部「本当にお前たちと野球やってきてよかったぜ。」
私たちは試合を終えて外で荷物を整理しながら会話をしていた。すでに記者からの取材を終えて監督は戻ってきている。そろそろバスに乗るのかな。
府中「集合!」
キャプテンが声をかける。私たちは走って監督の周りを円で囲むように集合する。
監督「今日は御疲れ様!」
皆「御疲れ様でした!」
監督「ナイスゲームだ! そして…この後の試合は強豪が続くぞ。千葉代表の御影大松戸だ。」
亜弓「……!」
やはり…あの遠江さんと吉祥寺さん、そして勝浦さんたちがいるあの学校…。この試合で私たち女子同士の対決が…できる。
監督「総力戦で行こうとおもう。先発は……日高!」
亜弓「は、はい!!」
監督「次の試合…お前に任せる。」
亜弓「わかりましたっ!」
重要な役割が回ってきた…。次の試合は私が先発。あの強豪校相手に私が…。最高の結果を残して勝ってみせなければ。チームのためにも、由紀のためにも。そして私のためにも!




