第十六話 第二十七部 勝負をすること
池之宮「うっし。」
ホームベースを踏んでから始めて喜んだ顔を見せてくれた。ホームから海鳳や府中先輩、由紀が待っていてハイタッチした。そうか、この場面なら必ず打てるというのはこういうことだったのか。
新天「さすがだな。」
池之宮「チャンスは俺に任せておけよ。」
日下部「ナイスバッティング!」
監督や選手たちが喜んでいる。その中でも特に喜んでいたのは芦毛先輩だった。しかし池之宮に喜んでいる姿を見せた後、複雑そうな表情をみせていた。そうか、芦毛先輩は松本投手とは投げあいを望んでいた。だから勝つのも嬉しいが、ライバルが打たれている所が複雑だったのだろう。
大嶺「大丈夫だ、切り替えていこう!」
松本「芦毛……これがお前のチームか。」
大嶺「どうした松本。」
松本「いや、大丈夫だ! こっからだよな! 気合入れて投げていくからリード頼むぜ!」
マウンド上では松本投手は笑顔をみせていた。負ける気持ちも全く無いように見える。この戦いを楽しんでいる所が本当に分かる。
松本「ワンアウトー!!」
自分自身から声をだして指示を出している。あの投手は…本当にすごい投手だ。
シューーーー
ギィイイイン!
新天「っしゃあ!」
沖田「よっしゃ回れ!!」
私たちの打線は新天がヒットを打ってそのまま流れに乗っていくかと思っていたが、松本投手の粘りで後続はしっかりと抑えていった。
府中「芦毛、最終回だ。気合入れていくぞ!」
卜部「俺たちがいるからな!」
芦毛「ああ、ありがとう!」
芦毛先輩には力強い仲間たちがいる。この調子なら最終回もしっかりと抑えられそうだ。しかし相手だって負けていられない。最後の反撃に出てくるだろう。
大嶺「次は俺からか。松本、お前にも打席が回ってくる。あいつとの最高の勝負をしてこいよ!」
鬼頭「その前に俺たちが塁に出て点を取れる状況を作ってやるからよ!」
松本「ありがとう…お前たちのおかげだ、ここまでやってこれたのは。」
浅井「何言っているんだ。まだ終わってないだろ。」
松本「いや、俺は相手の投手、芦毛と対決するのが楽しみだったんだ。その夢が叶った…。だからお礼を言っている。なんせ俺たちはまだ負けたわけじゃないからな!!」
大嶺「っしゃあああ!!!」




