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ドクターK少女  作者: レザレナ
第十六話 かつてのライバル、芦毛対松本。 二回戦、大龍鳥高校。
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第十六話 第十八部 ビックチャンス

卜部「(二三塁のチャンス…。これ以上に良い場面はそうないだろう。少ないチャンスをどうやってモノにするか…やってやる。)」

 卜部先輩はゆっくりとバットを振っていき、もう一度握りなおすとバッターボックスに入った。相手投手の松本も集中し始めた。松本の集中力というのもかなりなものだ。この場面はお互いにとってターニングポイントになってきそうだ。

松本「(打たせるわけにはいかないな。とりあえず…この一点を死守しなければ!)」

 シューーーバシーン! ストライクワン!

芦毛「(やるじゃねえか松本。この場になっても動じないか。)」

卜部「(さすがの球だな。振っていかなければ。)」

 シューー ブン バシーン! ストライクツー!

松本「(何故だ? 何故当たらない。コースはさっきと同じはず。)」

大嶺「(やっぱり錯覚してるな。これなら簡単に抑えられる。)」

 相手投手の松本がテンポよく投げてくる。この勢いのままだと簡単にアウトになってしまう。卜部先輩、粘って!

 シューーー グッ

卜部「(くそっ!)」

 ブン バシーン!

 ストライクバッターアウト!

松本「(まず一つ…!)」

 卜部先輩が空振り三振で終わってしまった。あのSFFはものすごく厄介だ。ツーアウトになってランナーは変わらず、府中先輩に託すしかない。

卜部「すまない。」

府中「アイツは本物だ。…だが俺も負けてられないからな。」

卜部「頼むぜ。」

 府中先輩は今まで二打席は右打席に入っていたのを左打席に変えた。これは…何か流れを変えるための作戦なのだろうか。

府中「(さあ勝負だ、松本。)」

松本「(こいつは本当に戦いにくい。…だが俺が抑えてやる。)」

 二人からものすごい集中力を見せていた。一球で何かが決まってしまいそうな。それぐらいの意気込みだった。

大嶺「(これで…!)」

 松本投手がサインにうなづき、足をあげる。踏み込んだ足と後ろ足で蹴り上げる。

松本「らあ!」

 シューーー グッ

府中「(こいつだ!)」

 ギィイイイン!!!

大嶺「ライト!!」

岡村「伸びやがる!」

 快音残して打球はライト方向へと飛んでいく。ライトが必死になって走っていく。ランナーはすでにツーアウトで走っている。抜ければ逆転!

海鳳「抜けろ!!」

岡村「らああ!!」

 バシン ズザザザザザ

 アウトー!!!

松本「ナイスキャッチ!!」

 ライトの岡村がダイビングキャッチでボールを捕球した。ファインプレーになってしまった。これでスリーアウトチェンジ、二者残塁で一点を取ることができなかった。

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