第五話 第七部 由紀「ニッヒッヒ。」
海鳳「ナイスバッティング!」
池之宮「俺達…なんか辛いよ。」
沖田「辛いです…。」
新天「何さりげなくネタいれてるんだよ。」
伊沢「何でや!阪s…」
沖田「ごめん、振った俺が悪かった。」
伊沢「えぇ…。」
ベンチ内では嬉しさと悔しさ? が混じっていたが皆意気投合していた。入って一ヶ月ちょっとだというのにすごい統一感だ。私もこの中に入れているだろうか…。
ツーアウトランナー二塁でバッターは米倉。相手投手もすごいけどここはなんとしても点を取ってもらいたい。
シューーバシン! ストライクワン!
うわ、球が速くなった。これは由紀の影響なのだろうか、目が覚めたのだろうか。そうだとしたらこれからどんどんすごくなっていくだろう。本当に大丈夫だろうか。
シューーーバシン! ストライクツウ!
バシーーーン! ストライクバッターアウト!
米倉があっけなく三球三振になってしまった。恐ろしい、気合が入るとあんなにも変わるなんて。ちょっと怖くなってきた。
米倉「すまねえ。」
由紀「しかたないよ。それにしてもなんで私のときにあんなに思いっきり投げてくれなかったのだろう。気合入っているようには見えたけど。」
海鳳「それがアイツの癖だよ。」
由紀「えっ。」
亜弓「どういう意味?」
海鳳「アイツは最初から強い奴だと知っていても打たれるまでは気持ちまで分かっていても本気が出せないタイプなんだ。つまり打たれれば打たれるほどリミッターが外れていく感じだ。でもリミッターが全て外れた状態で打てればもう何も怖いものはない。だからどんどん打っていかなきゃな。」
由紀「つまり、私はめっちゃ良い仕事をしたってこと?」
海鳳「そうだな。」
由紀「ニッヒッヒ。」
そういって由紀は私の方をみて笑った。な、なんて可愛いのだろう。