第十五話 第五十部 思いをぶつけて
海鳳「…来てくれましたか。」
恵美「うん。というより…あの甲子園でのあの叫びは何だったのよ。恥ずかしかったじゃない。」
海鳳「別にいいんだ。それより…約束どおりホームラン打ったぜ。」
恵美「うん、本当に打ってくれるなんて思わなかった。すごいよね。」
海鳳「ありがとう…。だけど聞いて欲しいことが一つあるんだ。」
恵美「……うん、わかった。」
海鳳「俺は…本気なんだ。これだけ声をかけているんだけど…本気なんだ。俺は…恵美が好きなんだ!」
恵美「海鳳…。……なんで…。」
海鳳「えっ?」
恵美「何で私なの…? 目指しているものも違うのに…そしてなんでこんな私と…。お願い、何で好きになったのか…教えて。」
海鳳「俺が恵美のことが好きな理由か。俺は…その性格も見た目も。メガネも…。」
恵美「……ん? メガネ?」
海鳳「いや、なんでもない…でもなによりも好きなんだ。何故かは分からないけど、好きなものは好きなんだ。恵美じゃなきゃいけないんだ!!」
恵美「……ばかっ、ばかばかっ!!」
恵美先輩が海鳳に抱きついている…やっぱりあの叫びは…愛の叫びだったんだ。
三由「いいねぇ、こういうの。」
亜弓「先輩、私を無理やり覗きに連れて行かせるのは…ちょっと。」
池之宮「おっそいなぁ、海鳳は何やってるんだ?」
新天「疲れて寝てるんじゃないかな?」
私たちはご飯の準備をして待っていた。たしかに海鳳の帰りが遅い。よく見てみると…恵美先輩の姿も見えない。まだ帰ってきてないのかな。
バタン!!
府中「うわびっくりした。」
いきなり海鳳と恵美が入ってきた。なんだろう。
海鳳「俺は今から! 恵美と付き合うことになりました!!」
恵美「なっ!? 何今ここで!?」
皆「おおおおおお!!」
何故か盛り上がっている。海鳳…それは…。
海鳳「俺は一生恵美を大切にすることを誓います!!」
恵美「こ、こんなところで…なにいってるのよぉおおおおお!!!!!!」
ベキィ!!
恵美先輩がグーで海鳳を殴った。これには皆が笑っている。そりゃそうだよ、海鳳。なんでこんなことここで言ったんだ。




