第十五話 第四十七部 館川がピシャリと抑え…
バシーーン! ストライクワン!
府中「(良い球だ! いいコースにも来ている!)」
館川「(甲子園で…投げているんだ俺。最高だぜ、たまんねぇ!!)」
館川は喜びをいっぱいにしてボールに伝えていた。そしてその投球は誰が見ても良いピッチングに見えた。
バシーーン! ストライクツー!
簡単にツーストライクと追い込んでいる。ここで決め球を投げれば…三振といういつものパターンだ。
渡部「(次は何が来る…!? ストレート、いや変化球か!?)」
シュッ グググググッ
ブン バスン
ストライクバッターアウト!!
緒方「アレって…チェンジアップ?」
永瀬「いや…パームボールだ。」
このパームボールは高校生でもそうは見ないだろう。館川の代名詞とも呼ばれるほどの変化球になったこの球…。私も驚くばかりだった。
ギィイイイン!
由紀「イェーイ!!」
九回の表に由紀はまたヒットを打った。もうこのバッターを止めることはできないのだろうか。しかし後続は永瀬の気合の入った投球で抑えていった。三年生の意地というものだろうか、ものすごい気合が入っていた。しかし館川も負けてはいなかった。簡単に先頭バッターと好打者の三番久保を難なく抑えた。そして…。
海鳳「ツーアウト!!」
由紀「あと一人だよ!!」
あと一人という所まで迎えていた。ツーアウトランナー無し。館川はしっかりと投げて抑えている。そして四番の緒方が入っている。
久保「緒方!! 打てーーー!!」
永瀬「たのむぞ! まだ終わっていないからな!」
館川はうなづいて振りかぶった。そしてサイドスローから思い切りよく投げる。
シューーーー ギィイイン!
館川「センター!!」
打球はセンターへのフライ。海鳳がゆっくりと構える…そして…。
バシン! アウト!!
府中「っしゃあ!!」
亜弓「やったあ!!」
私は思わず声をあげてベンチから飛び出した。やった、甲子園で…勝つことが出来たんだ…!!




