第五話 第五部 初めての変化球
友亀「ナイスピッチング!」
由紀「いいよ、いい感じだよ!」
この強豪率いるチームでも私の球は通用する。これならもしかすると甲子園だって…。いや、甲子園は絶対に行く!
次は二番の森口。当てることが上手い選手だと海鳳が教えてくれた。でも私は自分自身の投球を見失うことがないようにすれば問題ないはず。私は思いっきり投げるだけ!
シュゴーーーバシーン!
ストライクワン!!
飯田「しんじらんねぇ、はえぇ。」
大島「こっちから見るといつも打っている速さと同じように見えたが、そんなに早く感じたか?」
飯田「いつの間にかボールが放たれているようにみえるんだ。」
坂田「なんじゃそりゃ、もうちょい分かりやすく説明しろよ。」
飯田「説明のしようがねえんだよ。」
塚和「たしかお前、振り遅れていたよな。」
バシン! ストライクツゥ!
野口「おい、森口も振り遅れているぜ。」
設楽「投げ方じゃないか。あいつ変な投げ方してるから俺達にはなれていないのかもしれない。」
シューーーバシン! ボール!
坂田「まぁ…言われてみれば…たしかに。」
牛田「打席に立ってみないと分からないところは出てくるはずだ。そうじゃないとヤバイことになるぞ。」
シューーーー ブン バシン!!!
ストライクバッターアウト!
やった、また三振だ。私のストレートは生命線みたいなものだ。これで全て抑えられるなら絶対的な武器になれる。…抑えてみせる!
次は三番の大島。池之宮が戦ったことがあると聞いたけど、流し打ちとカットが上手いと聞いた。でも私のストレートなら問題ないとも言ってくれた。なら思いっきり投げるだけ!
シュゴーー ブシィ! バシン!
ストライクワン!!
よし、振り遅れている。これなら問題ない!
シューーー キン! ファールボール。
当てられた。さすが強豪校なだけあってすごいけど私の球にはなかなかタイミングが合っていない。これならストレートでも…ん? 次のサインはスラーブを低めに? ストレートではなく、変化球。たしかにストレートをボンボン投げていたら打たれるだろう。でも実践で始めての変化球。上手くいくか。でも変化球でも思いっきり投げるだけ。足を上げて…踏み込んで投げる!
グググッ ブン! バスン!
ストライクバッターアウト!!
変化球に全くタイミングが合わず空振りだった。




