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ドクターK少女  作者: レザレナ
第十五話 甲子園初戦、富山代表の小川山実業水橋高校
531/835

第十五話 第三十六部 打たれたとしても

由紀「大丈夫だよ! 落ち着いていこう!!」

 私は由紀の言葉の前にも落ち着いていた。甲子園でいつまでも連続三振はとれると思っていなかったし、ヒットも必ず打たれるだろうと思っていた。むしろ点も取られる覚悟でいたけど…ここまででワンヒットだけ。かなりの上出来な投球だ。だから心の準備は十分に出来ていた。

佐島「お願いします!」

岸蔵「佐島! 思いっきり振れよ!」

 ワンアウトランナー一塁で次のバッターは九番の佐島。ここからセットポジションに入るけど、このランナーは足は特に速くない。だけど…牽制だけでも入れていこう。

友亀「(最初はここだ。)」

緒方「さて、セットになって球威はどうなるか。」

 私は目だけでランナーを牽制する。そしてすぐに足をあげてクイックで投げる。

 シュゴオオオオ ズバン!

 ストライクワン!

佐島「(ノビも球威も落ちない。さすが甲子園に来る投手は違うぜ。)」

 シューーー ギィイン!

 ファールボール!!

佐島「(当てられるか…やはり疲れでフォームが見えやすくなってきているからだろうか。だけど油断できねえ。)」

 バットに当ててきた。やはり疲れがやってきている。サインは…一度牽制。私はセットに入って間をおいた。

 シュッ

渡部「(はやっ。)」

 バシン! セーフ!

 タイミングはちょっぴり惜しかったかもしれない。でも良い牽制が投げられた。そしてサイン…。スラーブだ。私はゆっくり足をあげてミットに向かって投げる。

 シュッ ググググッ

佐島「(外…振れっ!)」

 ブン! バスン

 ストライクバッターアウト!

亜弓「っし!!」

 スラーブで空振り三振、総合で十六個目の奪三振になった。これでツーアウト。しかし次からは上位打線、一番に戻る。

岸蔵「(俺が打たなきゃ。打たなきゃいけないんだ。)」

友亀「(あせっているのか? ここは直球でしっかり抑えていこう!)」

 サインはストレート。低目を中心に!

 シュゴオオオ ブン バシーン!

 ストライクワン!

岸蔵「くっ。」

久保「力んでるよ! 楽に楽に!」

 私から見てあの打者はあせっているのかな?これなら問題なく投げられる。怖くなんてない!

 シュゴオオ ギィン! ガシャン

 ファールボール!

岸蔵「やっべ。」

 助かった。高めのボール球を振ってくれた。そしてファールボール。当たってはきている。だけどこのテンポなら問題なく投げられる。サインはまたストレート。私の武器はこれなんだ…。期待に答える!

 シュゴオオオ

岸蔵「(これだ! 振れっ!)」

 ブシィ! ズドーン!

 ストライクバッターアウト!!

亜弓「よっしゃ!!」

 私はガッツポーズをとって私はマウンドを降りていった。これで十七奪三振、私の気持ちが勝っていた。


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