第五話 第四部 最初のバッター。
塚和「森口!!」
森口「おっけえ!!」
フォークを読んでいた海鳳はいとも簡単にフォークボールを当てた。打球はセンター方向にグングンと伸びていく。
伊沢「はいっちまえ!!」
米倉「いや、ギリギリだぞ。」
たしかに少しずつ失速しているかのように見える。風で押し戻されているのだろうか。それでも粘り強くバックスクリーンへとすすんでいく。
森口「取れるけど何処まで飛ばすんだアイツは。オーライ!!」
センターが両手を挙げてガッチリとキャッチした。これでスリーアウトチェンジだ。
新天「惜しかった。」
池之宮「よし、守備につくか。」
友亀「皆気合いれていけよ!」
攻撃が終わるとすぐに守備についていった。皆は気持ちを切り替えて守り抜こうとしている。私も負けないようにしなければ。まずは投球練習だ。
シューーーーバシーン!!
名古知多ベンチ内
設楽「女性の殻を破ったバケモノだな、アレは。良い球してるし早そうだ。140ぐらい出てるんじゃねえか?」
飯田「でもその球速だったら俺達だって練習してるじゃん。」
森口「まあな。変化球がすごいのかどうか分からないけど、ストレートはとらえられそうだな。」
牛田「それにしても最近の女性は、どいつもこいつもヤバイやつばかりだな。」
塚和「ちょっと男としてはイラつくよな。」
坂田「意地見せてやろうぜ!」
飯田「おっしゃ! まかせろ!」
最後の一球を投げると友亀がセカンドに送球する。頭だけではなく肩も良い。さすがキャッチャーだ。ボール回しが終わると池之宮からボールを返球された。
由紀「しまっていこー!!」
友亀「それは俺の仕事だ!! 気合入れていくぞ!」
皆「おぅ!!」
私のバックには仲間たちがいる。これなら私も心置きなく相手に全力で投げれる。こんな強敵と戦えるなんて嬉しいことだ。全力で立ち向かう!
一番は飯田。まだ相手の選手がどんな感じか分からないから友亀は手探り入れてくるだろう。初球のサインは全力ストレート。おもいっきり!!
シュゴーーーバシーーン!!
ストライクワン!
飯田「なっ!?」
設楽「おい、ど真ん中だぞ!」
友亀「(よしよし、戸惑っている。)日高、いい球だ!」
よかった。バッターが入っても今日は球が走っている。これなら…。
シューーーバシーン! ストライクツウ!!
高めだがストレートが見事に決まった。バッターはここまで一回も振っていない。サインは低めのストレート。三球で決めに…いく!
シューー ブン! バシーン!!! ストライクバッターアウト!!
亜弓「っうし。」
三球三振、私は右手で軽くガッツポーズを取った。




