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ドクターK少女  作者: レザレナ
第十五話 甲子園初戦、富山代表の小川山実業水橋高校
519/835

第十五話 第二十六部 力のこもったストレート

栗山「ふぅ…よっしゃ!」

 五回の表、この回の先頭バッターは栗山先輩だった。栗山先輩はバッターボックスに入るとすぐに内野の守備位置を確認していった。そしてバットを長く持つ。

緒方「(狙っていやがるな。なら…このコースに投げればこのバッターの力では絶対に打たれない!)」

永瀬「(ああ、もちろんだ。)」

 相手ピッチャーが大きく振りかぶって足を上げる。その躍動感あるフォームは自分自身を大きくみせるかのように投げている。

 シュゴオオオオ ブン! バシーーン!

 ストライクワン!

栗山「(さっきより球が速い!)」

 栗山の目付きが一瞬で変わった。相当なストレートなのだろう。だけどそれより集中して球筋を見ているのが由紀と海鳳だった。由紀は対戦したくて楽しみな気持ちであふれている。対して海鳳はすべてファーボールで打たせてもらえていない気持ちが怒りへと変わっていった。

 シュゴオオオ ギィイン!

横倉「よっしゃ。」

 打球はボテボテのサードゴロ。サードがしっかりと握って投げる。

 シュッ

久保「やべっ!」

 送球が高くなった。ファーストがジャンプしてボールを捕ろうとする。

 バシン! ドッ

 アウト!!

栗山「ちっ、上手いな。」

 ファーストがギリギリのジャンプで捕球してベースを踏んだ。なんて上手いやり方なんだろうか。

横倉「すまねえ!」

久保「いいよいいよ! ワンアウト!」

岸蔵「ナイスピッチ!」

 守備の乱れもしっかりとカバーする守備は本当に素晴らしかった。そして…次のバッターは…。

ウグイス嬢「一番、レフト、羽葉由紀。」

「キャーーーー! 羽葉ー!!」

 すごい声援だ。そして由紀もそれに答えるかのようにバットをピッチャーに向けて集中し始めた。

緒方「(どうする? 敬遠するか? 勝負するか?)」

永瀬「(今なら抑えられる気がする。ここは勝負だ!)」

 キャッチャーが敬遠するかと思っていたけど座っている。ここは勝負を選んできた。由紀もすごい集中力でピッチャーを見る。

由紀「(思いっきり振らないとヒットにならない…どこまで飛ばせるか分からないけどやるしかない。)」

永瀬「(三回も打たれて…たまるか!!)」

 シュゴオオオオオ

 ここに来て一番良いストレートが右打席に入った由紀の内角低めへと入っていく。すごいストレートだ。

由紀「ふん!!」

 ギィイイイン!!


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