第十五話 第二十二部 気合の入った重い球
新天「次はアイツの球打ちてぇな。」
海鳳「俺なんていろいろと悲しい現実がまっていたぜ。打たせてくれやしねえ。」
池之宮「次がチャンスだと思うぞ。」
海鳳「ああ、俺がホームランを打ってアイツに…。」
次のバッターは友亀から。私はネクストバッターサークルに入って相手のピッチャーをじっくり見た。
緒方「(ここで一気に流れを戻して行きたいな。)」
永瀬「(俺はまだ負けちゃいねえ。だからこそここで踏ん張ることが重要なんだ!)」
シューーーー
友亀「(甘い球!)」
ギィイイン!
甘く入ったストレートを打った。けど…球の重さでセンターフライになってしまった。なんて球の重さなんだろうか。
バシン! アウト!
岸蔵「よっしゃ! ワンアウトー!」
たった一球でワンアウトになってしまった。なんという球の重さなのだろうか。
緒方「(次はピッチャーか。)」
久保「(打たせて調子づかせるのは危険だ。)気合いれていくぞ!!」
ファーストが声をかけて皆に気合を入れている。それでも私は気持ちで向かっていかなきゃいけない。バッティングは決して上手い方ではないけど…やれる限りはやってみせる!
シュゴオオオオ ブン バシーーン!
ストライクワン!
緒方「ナイスボール!」
由紀「亜弓! ボールをしっかりと見て! タイミングは合っているよ!」
たしかにタイミングは合っている。けどさっきよりストレートの威力とノビが良くなっている。でも…この球ならもう少し意識を変えて振れば!
シュゴオオオ ギィン! ガシャン
ファールボール!!
横倉「いいよいいよ! 押せてる!」
当たった。でも打球は後ろへと飛んでいった。それにあの球の重さ、並じゃない。さっきの時よりも確実に気合が入っている。でも…私だって気合入れれば!
暁美「気合十分だね。でも体の使い方は投手とは違うから…。」
六実「たしかに…ね。」
ギィイン!
井上「っしゃ!」
打球はショート真正面。ボテボテではないけど悪い所に飛んでいってしまった。そしてショートからの送球が帰ってくる。
バシン! アウトー!!
亜弓「ふぅ…。」
結果はショートゴロ。もう少し力があればよかったかな…。




