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ドクターK少女  作者: レザレナ
第十五話 甲子園初戦、富山代表の小川山実業水橋高校
514/835

第十五話 第二十一部 九者連続奪三振

佐島「(たしかにやべぇよ…このストレート!)」

 シュゴオオオオオ バシーーン!

 ストライクワン!

友亀「ナイスボール!」

由紀「いいよいいよ! どんどん押していこう!」

 投げるたびに私の心の中で楽しいという気持ちが沸いてくる。連続奪三振が途切れたとしても負けてはいない。今はここで投げていることが楽しくて仕方がなかった。もし点を取られたらどうしよう。そんなことを試合前には考えていたけどそんなものはもう無い!

 シュゴオオオ ブン バシーーン!

 ストライクツー!

「おおおお!!」

 スタンドからは歓声が沸きあがる。この日最速の143キロが出たからだ。私にとってもこの球速表示には驚いた。でも…球速が出ても抑えられなきゃ意味が無い。次は…チェンジアップ。ここまで変化球はほとんど投げていない。だからこそ有効活用できる変化球になる!

 シュッ

佐島「(これって!?)」

緒方「チェンジアップ!」

 ググググッ ブン バシーン!

 ストライクバッターアウト!!

亜弓「っし!!」

 私は再びガッツポーズを取ってマウンドを降りていった。九者連続奪三振、あの十者連続奪三振の記録まであと一歩に迫った。暁美さんでさえ、他の投手でさえ出来なかったこの偉業、達成してみたい!!

由紀「すごいね、甲子園に来てこのピッチングができるなんて…!」

池之宮「お前、プロいけるんじゃないか?」

亜弓「えっ!?」

 池之宮の口からプロという言葉がやってきた。プロ野球、たしかに狙えるなら…。でも女子なんかがプロ野球に入るなんて…やっていけるのだろうか。

海鳳「まあ今はそんな深く考えるな。いずれプロに入る女性なんて出てくるからさ。特に身近なところだと高校三年生の山茶花桜とか安富桃音とか。大学でも椎葉真菜とかが活躍してるだろ。」

 たしかにそうだ…。でも私よりプロに近いのは…由紀かもしれない。

由紀「よし、それじゃあお互いプロにいけるように頑張ろう!」

亜弓「由紀…うん!」

友亀「それなら俺も負けないぜ。」

 ベンチの皆が気合を入れている。たしかにこの学校にやってきている人は意識が高い。そうなると自然に皆がプロを目指すようになる。皆がライバルであり、味方なんだ。

友亀「次は俺からだよな。日高、お前も準備しておけよ。」

亜弓「はい。」

 私はグローブを置いてヘルメットをかぶった。この甲子園で…どこまで戦えるのだろうか…。

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