第十五話 第十六部 やはり先取点は
次のバッターは由紀、この絶好の場面で由紀に回ってきた。これなら確実に一点を取ることができそうだ。当然相手は警戒してくるだろうけど、由紀ならどんな球でもヒットにしてくれそうだ。由紀はパワーは決してあるほどではないけど、バッティングセンスだけは…誰にも負けるわけがない。こんなバッターを打ち取ることすら奇跡かもしれないバッターだから…安心して見れる。
永瀬「(こいつか…一番気を付けないといけないのは。)」
緒方「(すべて厳しくだ。ファーボールになったっていい!)」
相手ピッチャーがセットポジションに入るとランナーをしっかりと見てくる。由紀はゆったりと構えていつでもいける様子をみせていた。
ゴオオオオ ドスン!
ボールワン!
緒方「(それだ、それでいい。)」
かなり厳しいコースに投げている。由紀の力で外野まで飛ばせるのだろうか。
府中「(厳しいけど…羽葉はこういうときにこそ高い集中力を見せてくれる。俺がもし狙うなら…低めのストレートかカットボール!)」
由紀「(武器になるカットボールが残っているのが厄介だ。だから…ここで打ち崩しておかないと!)」
相手投手がサインにうなづいてセットポジションに入る。
シュッ バシン
セーフ!!
栗山「(牽制上手いな。)」
ファーストに牽制した。しかし判定はセーフ。それほど大きなリードでなかったのに少し遅れていたかのようにも見える。牽制も上手いようだ。
緒方「(次だ、ここに来い!)」
またうなづき、セットポジションに入る。そして…。
シューーー!!
由紀「(この低めを叩く!)」
緒方「(よし、引っ掛ける!)」
グンッ ギィイイイン!!
由紀「よっと!!」
横倉「らあっ!?」
永瀬「なっ!?」
打球は鋭くサードの頭の上へ。すぐに反応してジャンプしたが、その上を越えていった。そして切れるかどうかのラインギリギリだ。
ドッ フェア!!
府中「よし卜部! 戻ってこい!!」
府中先輩の声に反応して卜部先輩がホームへと帰っていく。そして前進守備のレフトが追いついた。
佐島「緒方!!」
レフトからの好返球が帰ってくる。でもこれは間に合いそうだ!
ズザザザザザ バシン!!
セーフ!!
卜部「っしゃああ!!」
由紀「イェエーイ!」
由紀と卜部先輩がガッツポーズをとった。やった! これで先取点が取れた!!




