第十五話 第十一部 風格が見えた
由紀「亜弓…すごかったわよ。なんていうかね…雰囲気が出てきた。」
亜弓「えっ? 雰囲気?」
由紀「うん…六実とか暁美にあったような…独特なオーラ、亜弓にも見えてきた気がする。」
わたしにも…そんな風格が見えていたのだろうか。だとしたら…成長できたことなのだろうか。でも…本当に…。
由紀「きっと女子のあの人たちに聞けばわかると思うよ。」
亜弓「そうかな…。」
新天「それだけ調子がいいんだ。そのために俺たちも早く点とってやるよ!」
友亀「俺にしっかり回してくれよ!」
海鳳「まずヒット打とうぜ。」
次のバッターは新天からだ。一気にチャンスを広げられることも出来るバッターだ。でもまずはヒット一本が欲しい。
永瀬「(相手のピッチャーは最高の立ち上がりをしてきた。ならそれに答えるように最高のピッチングをこっちもみせなきゃな! 力強さが俺の武器なんだから!!)」
緒方「(そうだ、お前のその闘争心があってからこそのピッチングなんだ。さあ、ここにこい!)」
シュゴオオオオ ズバーーン!
ストライクワン!
新天「(球速は140ぐらい。低めはしっかりと決めてくるな。だけどたまに力んでやってくる…)」
シュッ シュゴオオオ
新天「(この高め!!)」
ギィイイン!!!
緒方「センター!」
新天「重いっ!」
新天が手を振りながら走り出した。相当手がしびれたのだろう。芯でしっかりとらえない限り、あの重さのあるピッチングは発揮されてくるのだろう。
バシン アウト!!
岸蔵「よし、ワンアウト!!」
新天がセンターフライで終わってしまった。私はネクストバッターサークルに入るためにヘルメットをかぶってバッティンググローブをつける。振った感覚としては悪くない。せっかくだから私もヒット打ちたい。甲子園に出たなら!!




