第十五話 第十部 狙うは三振
久保「(こいつか…。)」
友亀「(やっかいなバッターの一人だ。ここを三振で押さえれば本当の実力だと証明できるぞ。)」
このバッターを押さえれば…波に乗れる。打撃にも良い流れを持って行ける! 私が…押さえてみせる!
シュゴオオオオ ズバーーン!
ストライクワン!
久保「すんげえストレート。完成度たけえな。一年だよなあいつ。」
友亀「そうです、一年生なんです。」
久保「となりゃ意地でも出ないとな。」
相手バッターの目つきが変わる。スイッチが切り替わった感じがした。厳しくいかないと当てられてしまうかもしれない。
淳和「あのバッターはなかなかやるね、すこし雰囲気がある。」
瑞華「簡単にやられないように気を付けないとね。」
シューーー バシーン!
ボールワン!
ひとつ外した。良いコースかなと思ったけど外れてしまった。このコースはボールになることを覚えておかないと。
卜部「こっちに打たせたって構わないぜ!!」
たしかに打たせて守備に緊張感をほぐさせるのも一つかもしれない。けど今の調子なら三振を取ることができる。できるならそれで押さえていきたい!
シュゴオオオオ
久保「(これもやべえ!)」
ギィン! ガシャン!
ファールボール!!
友亀「(当てやがった。)」
久保「っぶねえ。」
星「いいぞ! あたってるあたってる!」
永瀬「落ち着いていけばヒット打てるぞ!!」
いきなり一巡目から当ててきた。相当なバッティングセンスがあることがわかる。これは本当に気が抜けない。変化球のサインが来るかな…。
友亀「(ここは力で勝負だ。)」
サインはストレート。低めに構えている。あのコースなら…絶対にうたれることがない!!
シュゴオオオオオ ブン バシーーン!
ストライクバッターアウト!!
由紀「ナイスピッチ!!!」
「きゃあああああ!!!」
やった、三者連続三振にを取ることができた。私の球は甲子園でも通用するんだ。ストレートは絶対に打たれない!!
府中「ナイスピッチング。」
新天「すごいね!!」
みんなからほめられながらベンチへと戻っていく。そしてスタンドからは拍手と黄色い声援が聞こえてくる。私のためにこれだけ応援してくれているなんて…。この試合、絶対に勝ってみせる!




