第十五話 第九部 思い切りの勢いが
岸蔵「ごめん。だが一つだけ忠告しておく。こいつのストレートは尋常じゃねえぞ。」
井上「ああ、わかってる。」
次のバッターは二番だけど中核の存在となる井上。一人を断ち切ったからこのままの流れで抑えて行きたい。
暁美「見た?」
六実「見た…白色の輝かしいオーラが。特に投げる時、あの思い切りのよさの気持ちが表面に現れているようだね。」
由紀「(すごい…もうワンランク成長してきている…。ストレートの速さは特に変わってない。でもノビや球の勢いが全然違う!)」
サインはストレート。自信を持って投げれば抑えられることなんだ。全力で…あのミットに!
シュゴオオオオオ ブン バシーーン!!
ストライクワン!
井上「(真ん中だと思ったのに!?)」
友亀「ナイスボール!!」
海鳳「いいね! 調子よさそうじゃねえか!」
府中「こっちに打たせてもいいぞ! 全部抑えてやるからな!」
バックにも信頼できる味方がたくさんいる。だから投げることに集中ができる!
シュゴオオオ バシーーーン!
ストライクツー!!
井上「(この低めが入っているのか!? 尋常じゃないノビだな。おそらくボールの上部分を意識して振ればよいか…それでいこう!)」
友亀「(いい球だ。次は…これでしとめるぞ。)」
次のサインはカットボール。高さは真ん中のインコース。それなら引っ掛けてゴロにしとめられる!
シューーー
井上「(ここから伸びる!)」
ブン! バシーーン!
ストライクバッターアウト!!
井上「お、落ちた?」
友亀「ナイス!!」
池之宮「ツーアウトツーアウト!!」
新天「ボール走ってるよ! このまま抑えていこう!!」
三振でツーアウト。すごく気持ちが良い。三振を取るのがいつもよりもスカッとするなんて…。私、甲子園で三振を取っているんだ!!
久保「俺が止めてくる。絶対にこいつを波に乗らせたらダメだ。」
次のバッターは久保、地区大会でも打点を稼いできた一人だ。ここからが本番になってくる。




