第十四話 第二十五部 夏の厳しさ
「一日目、第二試合は神奈川の上栄大学付属横浜高校と奈良の榛原商業高校が対決しました。試合は一回から動きました。上栄大学付属横浜高校三番の永岡!」
ギィイイイイン!!
栗山「あー、これはいった。」
中山「飛ぶね飛ぶね。」
そのバッターはバックスクリーン左横へボールを運んでいった。しかも軽く振って。こんな選手が甲子園にはうじゃうじゃいるのか…。地区大会で戦ってきたクリーンナップ級が下位打線にもいると考えると相当厳しい対決になるだろうと思う。私は思わず身震いしてしまった。
府中「勢いは完全に持ってかれたな。」
卜部「初出場だからミスも目立つな。」
先輩の言った通り、上栄大学付属横浜高校はどんどん点をとっていった。そして相手側にもミスが連発していった。負の連鎖は一番やりたくないことだ。でも…甲子園ではどこまで強くてもよくあることなんだ。私たちにだってあり得るかもしれない。
「試合はこのまま流れにのって12対1と上栄大学付属横浜高校が大勝しました。次に第三試合です。」
バシーーーン! ストライクバッターアウト!!
芦毛「おお、すんげえダイナミックなフォームだな。」
第三試合の愛媛の松山大学付属衣山高校と沖縄の名護北高校の試合だ。名護北高校の投手はとんでもないダイナミックな投げ方をしている。しかし見る限りいかにもボールに体重が乗った投げ方に見えた。世の中にはこんな人たちもいるんだなぁ。
バシーーン!!
「これで試合が終了、3対0と完封勝利で名護北高校が勝ちました。」
これで今日の試合がすべて終わった。もうこの時点で三つの高校で三年生が引退していってるのか…。なんて残酷なんだろうか。でも…これが甲子園なんだ。
海鳳「いいねえ、燃えてきたぜ。」
池之宮「三振するなよ、恥ずかしいからな。」
海鳳「うっせ、それはこっちのセリフだ!!」
「明日の注目試合です! 第一試合では青森の武士山高校。片岸ディア投手が投げます! 相手は東東京の城洋大学付属高校! 一年生、羽計京介のピッチングや女性選手の袴田瑞華もいます! そして第三試合には大阪の関西大阪高校、高校三大バッターの安富桃音がついに出ます!」
桃音さんも瑞華さんもいる…。明日は本当に見ものだ。
由紀「楽しみだね!」
亜弓「うん…! でも私たちも試合を楽しもう!!」
由紀「もちろんだよ!」




