第四話 第十三部 対戦相手。
日下部「食べ終わったか。それじゃあ大事な報告をする。キャプテン、全員あつめろ。」
府中「全員集合!」
全員「はいっ!」
私たちはキャプテンの挨拶にいっせいに返事をして集まった。おそらく合宿のことについてだろう。
日下部「2・3年生はいつも合宿で行っていることだが、1年生は初めてだから改めて説明するぞ。合宿の最終日には合宿の成果を試す練習試合をもうけている。それも今回の相手は強豪の名古屋理科大学付属知多高校だ!」
名古屋理科大学付属知多高校、略して名古知多。たしかおととしの甲子園に出場している強豪校だ。それも二度か甲子園準優勝までしていた記憶がある。そんなところと試合をするのか。
日下部「なお今回は2・3年生チーム同士の試合と1年生チーム同士の試合を組んだ。チャンスはだれにでもあるからしっかり準備しておけ!」
一年生チームの試合…。私は試合に出れるのだろうか。それは今回の合宿の結果がかかわってくるはずだ。ここでアピールしてレギュラー入りを目指すんだ!
由紀「いよいよ亜弓の大きな見せ場が来たね。」
亜弓「それを言うなら由紀もだよ。」
由紀「えへへ、せんきゅ! お互い頑張ろう!」
亜弓「うん!」
由紀「はいよ!」
由紀は右手を出して握りこぶしを向けてきた。
由紀「グータッチ!」
由紀はニコニコしながら待っていた。私も右手を握って由紀のこぶしとぶつけた。
由紀「よっしゃ!」
亜弓「い、いえい!」
私も思わず由紀のノリに乗らされてしまった。でも由紀がいれば私はレギュラーになれるように頑張れそうだ。