第十四話 第二十二部 ふわふわ曲を作る人
?「美和先輩、楽譜の方ですが、このタイプで渡せば良いですか?」
美和「あら春香。丁度よい所に。それでいいわよ。あと、こっちにきてくれないかしら?」
突然美和先輩が一人の女性を連れてこっちにやってきた。しかし結構ちっちゃな女性だった。ふわふわとしたこの髪型…誰だろう。
美和「そうそう、今回の大会でいくつかの曲はこの子が作った曲を使うからね。」
亜弓「えっ? 曲作ったのですか!?」
曲を作るのは学校全体のものか、それかプロ野球だけかと思っていたけど、こんな一人の女の子が曲を作ってくれるなんて。
春香「あ、私は二年生の本間 春香です。よろしく。」
由紀「一年の羽葉由紀です。よろしくお願いします。」
亜弓「同じく一年の日高亜弓です。よろしくお願いします。」
春香先輩はかなりふわふわとしながらこっちを見ている。そしてカバンから何を出したのかと思うと日傘を出した。
春香「一生懸命曲を作ってきたので楽しんで聞いてくださいねー。」
由紀「ありがとうです。」
そういって春香先輩はふわりふわりと去っていった。不思議な女の子だなぁ。
美和「あの子、けっこうマイペースだからあんなところは気にしないであげて。でも本当に良い曲だから。私たちが一生懸命演奏するから。」
亜弓「ありがとうございます。」
そして今度こそ私たちは練習をするために移動し始めた。
海鳳「なあ、今試合どんな感じだ?」
池之宮「自分の携帯で調べろよ…。」
府中「気になるか? それじゃあラジオつけるぞ。」
私たちは移動中に一日目第一試合のラジオをつけた。まだ試合中なはず。どのくらいの試合になっているのだろうか。
「現在五回が終了しまして設楽高校と迎ヶ丘高校の試合は4対4と同点となっています。」
卜部「おお、こりゃいい試合だ。」
芦毛「だが甲子園だからな。いつ何が起こるかわからない。これはどっちが勝ってもおかしくないな。」
先輩たちは冷静に楽しみ、試合展開を考えていた。でも私たちの試合も全国放送で見られるのか…。私はプレッシャーに耐えられるのだろうか…。いや、耐えられる。そうじゃないと試合は勤まらないから!!




