第十四話 第十九部 明日にむかって
由紀「外で走ったのは正解だったね。」
亜弓「ちょっと緊張がほぐれた気がする。」
私は抽選会が終わった後の夜、眠れなくなったので由紀と共に走りにいった。そのおかげもあって緊張がほぐれて体もしっかりほぐすこともできた。
瞳「お風呂は入った、歯磨き終わった。よし、寝ようか。」
真希「明日は開会式だね。それじゃあ、電気消すよ。」
私たちは布団の中に入って電気を消した。そして私たちはゆっくりと眠りにつこうとした。
由紀「ねえ、明日からいよいよ甲子園が始まるよね。」
亜弓「そうだね…。私たちってどうしてここまでこれたのだろう。」
由紀「それは気持ちで戦ってきたのが大きいよ。もちろん実力だってあるだろうと思うけど。私はそう思う。」
瞳「二人ならやれるよ。ここまで勝って来たのだもの。練習試合でも負け無し! いい調子で来てるよ。」
真希「ここまで積み上げてきた経験は甲子園で絶対生かされるよ。」
亜弓「そうだね。…もう一ついいかな?」
由紀「何?」
亜弓「…今の私たちに御影大松戸や関西大阪、富良野学院に勝つことが出来るのかな。」
由紀「正直に答えると厳しいね。何枚も相手の方が上手だよ。でも…負ける確立は0じゃないよ。わたしたちにだってチャンスはある。昔の相手を見てるわけじゃないし、その時の相手を見れば付け入る隙はあると思うよ。」
瞳「本当に強い相手は見ただけでわかるときがあるよね。」
亜弓「瞳にもわかるの?」
瞳「うん。でも始まってしまえばもうそんなのは関係ないよ。」
真希「私にだっているよ。美術だったら紀子先輩だってすごい人だけど世の中もっとすごい人もいる。中学二年生に天才的な画家といわれる女の子だっているし。でも私は私の道を行くよ。だから…自信はあるよ。」
亜弓「自信を持って…私にはできるよね。」
由紀「もちろん。戦っているときの亜弓はガラリと変わっているもの。」
亜弓「……ありがとう。」
由紀「いいえ。おやすみ。」
由紀の声で私たちはゆっくりと眠りについた。私にはできる…出来ると…。
亜弓「ん……朝。」
由紀「おはよ……。」
私と由紀は同時に起き上がった。瞳も同じように起きていた。唯一真希はぐっすりと寝ている。眠いまぶたをこすりながら由紀はカーテンのところまで近づいた。そしてゆっくりと開くと太陽の光が部屋の中を照らした。
由紀「さて……いこう!!」
亜弓「うん!!」




