第十四話 第十七部 対戦相手は小川山実業水橋高校
海鳳「32番といったら…これでこのブロック全部埋まったんじゃねえか?」
池之宮「おもしろいところに入ったな。こりゃやりがいがあるぜ。」
芦毛「……松本…。」
私は耳と目を疑った。いや、でも間違いない。32番のところに私たちの学校が張り出されている。一回戦の相手は富山県代表、小川山実業水橋高校に決まった。そして同じブロックにはあの御影大松戸高校までいる。順当に勝ち進んでいけば三回戦で当たる…。つまり…あの人と投げ合えるかもしれない…! しかしそのためには二回戦で当たるであろうチームにも勝たなきゃいけない。宮城県代表の大龍鳥高校と鳥取代表の佐々大倉吉高校の勝者と勝たなきゃいけない。
由紀「たしかに当たるかもしれないけど…その前にまず一番最初に戦う相手のことを考えよう。」
亜弓「由紀…。」
由紀「大丈夫、思いっきり戦っていけば必ず勝てるから。」
府中「ふぅ…。」
卜部「お帰り。どこが相手でも俺たちは戦いぬくだけだぜ。」
栗山「府中先輩、俺たちも勝てるように協力します!」
中山「絶対に負けられないですし。最後の甲子園ですから。」
三由「優勝しようね。」
私たちは意気込みをそれぞれ感じながら抽選会を眺めていた。
「東向洋高校、43番。」
最後に広島代表の東向洋高校が呼ばれて甲子園それぞれの対戦相手が決まっていった。私たちの試合は5日目で対戦相手は富山県代表の小川山実業水橋高校になった。たしか良い投手がいたと思うはず…。だから…私たち投手がいかに点をとられずに投げるかが重要になってきそうな気がする。
館川「俺たち…準備しておかないとな。」
亜弓「うん…芦毛先輩が先発しそうな気がするけど…私たちだって準備しないと。」
芦毛「いや…先発は日高か館川だな。」
芦毛先輩は目を細めながら言った。いったいどうしてそんなことを言ったのだろうか。
府中「お前の相手はアイツってことか。」
芦毛「中学でも高校でも投げあったことがある。……宮城県代表の松本が俺の目指している相手だ。」
そういって芦毛はニコニコと笑った。




