第十四話 第十六話 抽選会を…
「ただいまより、夏の甲子園大会、抽選会を始めます。」
開場が大きな拍手でつつまれている。いよいよ始まる、甲子園大会初戦の相手が…。
由紀「ねえ、甲子園の抽選ってどうやるの? ソフトボールと似てるかな?」
私はちょっと上を向いて考えていた。たしか…間違いなかったはず。
亜弓「えっとね…たしか今は一回戦だけ決めて勝つごとに相手を決めていく形になると思うの。だから最初っからトーナメントが決まっているわけじゃないの。でもそれは去年から決まったことだから今回は違うかもしれない。」
由紀「へぇー。」
「まずは、会長の言葉です。」
府中「緊張するか?」
三由「マネージャーだけどちょっとね。それより戸井は緊張しないの?」
府中「まあ一度出てるからね。」
「なお今回は、前のようにベスト8までの抽選を行います。」
あれ? いままでのに戻ってしまった。前のは無かったことになったのだろうか。
「それではまず、北北海道と南北海道、東東京と西東京の主将は、前にでてください。」
その声と同時もう始まってしまうのか。最初に抽選をするのは桜先輩、富良野学院だ。どこを引くのだろうか。
「富良野学院高校、21番。」
かなり良いところを引いてきた。そして次は城洋大付属高校だ…。
「城洋大学付属高校、7番。」
7番、そこそこ良い場所にはとれた。南北海道と西東京も決まってそれぞれの抽選が始まった。私たちは30番目になる。府中先輩、良いところとってください。
「武士山高校、8番。」
もしかして…瑞華さんの高校の対戦相手が決まった。相手はあの片岸ディア投手がいる所だ。これは激戦の予感がする。
「御影大松戸高校、30番。」
勝浦さんが引いたのは30番、三回戦まで勝つとベスト8の場所だ。ちょっと楽しみかもしれない。
「関西大阪高校、11番。」
富良野学院とは隣のグループ。割れた気がする。これならベスト8までいかないとあの人たちとはあたらなさそうだ。
………
由紀「いよいよだよ、私たちの番。」
私たちの順番がやってきた。いよいよこのときを迎えることになったのか。それぞれあの人たちとの場所は埋まっている。二回戦以降は可能性がありえる。府中先輩、良いところ当ててください。
「それでは、松江学園高校。お願いします。」
府中先輩が手を入れた。私たちは手をつかんで祈る。番号は…番号は!
「松江学園高校、32番。」




