第十四話 第十一部 もっとでかいのが。
桃音「ん? 電話?」
桃音さんが携帯を取り出して電話に出た。
桃音「はい。…桜か、どうした? …うん、わかった。それじゃあ買い物して待ってる。」
電話を切ると私たちの顔を見て笑った。
桃音「富良野学院がミーティングで遅くなるらしいからコンビニで何か買い物するっす。」
六実「ごめんごめん。八幡にメール届いたからちょっと財布用意してきた。」
淳和「桃音先輩、お久しぶりです。」
六実さんと淳和さんもやってきた。あとはあの二人を待つだけだ。その前にコンビニに移動してちょっとした買い物をする。私と由紀も運よく財布を持ってきている。何を買っていこうかな…。
私たちはホテルを出てゆっくりと歩き始めた。そして二つ目の角を見るとコンビニがあった。私たちはゆっくりと店の中に入っていった。
桃音「あ…片岸さん。ちッス。」
ディア「おお、これはこれは。」
で、でかい。でも一瞬で誰だかわかった。青森県代表、武士山高校の片岸ディアさんだ。190cm超えの身長を目の前でみるとここまででかいとは…。
ディア「女子同士の会話ですか?」
桃音「そんな所ッス。」
六実「ディアさんまた身長伸びました?」
淳和「もうここまででかいとさらに大きくなっても気づかなくなるかも。」
そんなことを話していると瑞華が歩いて目の前に移動した。
瑞華「ディアさんですか。高いところからの投球は本当にすばらしいと聞いています。」
ディア「嬉しいね。そんな君は東東京の女子キャッチャーだね。」
瑞華「あなたの球、ぜひ打ってみたいですね。」
ディア「そうだな。対戦したときは一球もかすらせないよ。」
早くもここで勝負の火花が散っていた。やはりだれもが戦う準備は整っているのだろう。みんなの目からは戦う意識が見えてくる。私もこの意志を持っていたほうが良いのだろうか。いや、持たなきゃいけない。
由紀「うーん、私はヤクルト飲もう。」
亜弓「由紀、もう買いに行くのね。」




