第十四話 第八部 宿に到着して
千恵美「うーん、まあまあの宿ね。」
恵美「どこまで欲に走るのよ。」
私たちは宿に到着した。なかなかの形と風情のある宿だった。そしてロビーがかなり広い。ここで私たちが集まってお話をするのかな?
六実「あら、あなたたちも来たのね。」
亜弓「六実さん。」
淳和「集合は夜の8時半でどう?」
由紀「そこなら食事とかぶらないので大丈夫です。」
私と由紀はうなづいて二人といったん別れた。早く荷物を置いて夕食とミーティングをしなければ。
日下部「全員そろったか? それじゃあミーティング始めるぞ。」
一つの大部屋を借りて私たちは全員集まって座っていた。
深沢「背番号は前回と同じだからな。ただ、甲子園だから19、20はないぞ。」
つまり伊沢がベンチ入りから外れてしまった。たしかにここまで足で活躍をしてきているがなかなか大きな活躍もなかったから…仕方ないのだろうか。
日下部「そこでだ…試合によっては先発投手を変えようと思っている。芦毛、日高。どっちとも準備はしておけよ。」
芦毛「はい!」
亜弓「は、はい!」
私の名前も呼ばれた。試合によって先発投手を変える…。どんな相手だったら変えるのだろうか。
日下部「それと館川、甲子園の時だけは中継ぎエースとして頼む。いつでも出れる準備はしておけよ。」
館川「はい!」
館川が中継ぎエース、心強いピッチャーが後ろにいるととても楽になってくる。
日下部「そして守備に関してだが…日高が投げるときは羽葉がレフト、芦毛が投げるときは中山がレフトに入る。」
由紀「はい!」
由紀は私と一緒に出るということになるのか。これだけのバッターだから私からみればずっとレギュラーで良いのではないかと思ってしまう自分がいる。
深沢「甲子園は普通の地方球場とは何かが違う。雰囲気に飲み込まれないように集中することが大事だ。気を抜いたら一気にやられるからな。」
たしかに甲子園は何かが違うと聴いたことがある。でも実際甲子園という舞台に立ってみないとわからない。だからこそ最初からわかっていた方が楽なのだろう。
日下部「それじゃあ細かい内容に入っていくぞ。」
由紀「覚えることたくさんあったね。」
亜弓「由紀はちゃんと覚えられた?」
由紀「もちろん!」
ミーティングが終わって私たちは夕食の場所へと移動していった。お腹が減っていたから丁度よかったかもしれない。




