第十四話 第七部 震えが止まらない
直之「お前のところは良いよな。すごい選手が集まっていて。」
快斗「お前の学校もドラフト候補いるじゃないか。」
直之「そういえば…その制服って、松江学園だよな。ということは…日高亜弓と羽葉由紀がいるはずだよな。」
亜弓「わ、私が日高です。」
由紀「羽葉です。」
それを聞いた真壁は顎に手をのせてふんふんとうなづいていた。なんというかここにいるのは全員一年生だということなのだろうか。
直之「まあ全員一年生だが試合になればそんなの関係ないか。それじゃあ試合楽しみにしているぞ。」
真壁はそう言い残して帰っていった。なんだか雰囲気ある人だったなぁ。
快斗「まああいつとは中学の時試合でよく戦っていたんだ。だから縁は昔からある感じかな。」
瞳「そうだったんだね。」
真希「世の中狭いのか広いのか…。」
私たちはもう一度真壁の方を向いた。やっぱりこの人ただものじゃない、かなりの努力と経験を積んできた選手だ。
?「こらこら、勝手にいなくなったらいけないでしょ。」
快斗「げ、山茶花先輩。」
山茶花先輩…? まさかあの山茶花選手!? 私と由紀はすぐに声のする方を向いた。そこには身長の高い二人が歩いてこっちに来ていた。
由紀「山茶花選手と…八幡選手…。」
まさか…本当に目の前で見ることができるなんて…。春夏二年連続連覇。あの三大バッターの一人と伝説の女性投手に会えるなんて。
暁美「やっほー! 君たちが松江学園の二人?」
亜弓「は、は、はい。」
桜「会えてうれしいよ。私は山茶花桜、3年生よ。これからは普通にしたの名前で呼んで良いからね。」
暁美「私は八幡暁美。二年生。」
由紀「一年生、羽葉由紀です。」
亜弓「ひ、日高亜弓です。」
震えが止まらない。とてつもないオーラが見えている。いままで見た中で一番すごい…そして怖い。こんな人もいるなんて…。でもなんだかうれしい。うれしすぎる…。
快斗「す、すみません。つい暇だったので…。」
瞳「私もすみません、瀬棚を投げてしまいました。」
桜「いいのよ。さて…それよりも瀬棚、迷惑かけているのよ? こっち早く来なさい。」
快斗「は、はひっ!!!」
あの瀬棚が震え声になって桜さんに連れられて行った。ああ、あれはたしかに怖すぎる。
暁美「それじゃあ二人とも、夜にまた話そうね。」
暁美さんは桜さんの後ろをついていくようにあるいていった。尋常ではない威圧感を感じている。私の足はまだ震えている。由紀の方を見ると腕がプルプル震えていた。
由紀「戦いたいね…あんなすごい人たちと戦いたい!」
亜弓「由紀…。うん!」
私は震えながらも強気な気持ちで答えていこうと思った。




