第十三話 第七部 二人前をペロリ
瞳「皆買ってきた?」
真希「大丈夫だよー。」
由紀「今度は私たちが待つ番だね。」
亜弓「ちょっと立て込んでいて遅れちゃった。」
瞳「いいよいいよ。それじゃあ買いに行くね。決まっているからすぐに戻るよ。」
瞳は席を立って自分の食べたい場所へと移動していった。真希のテーブルの上にはすでにうどんと天ぷらがあった。
真希「私はこれにしたよ。亜弓と由紀は?」
由紀「私は鉄火丼。」
亜弓「野菜天丼だよ。」
真希はそれを聴くと何か想像するかのように上を向いていた。そして何かわかったように私たちの方を向いた。
真希「そんな量でいいの? もっと食べて力つけないと。」
亜弓「そういわれてもあまり食べられないし…。」
由紀「私はちょっと疲れで食欲がね。でも明日からはたくさん食べるよ!」
そんな会話をしていると手元のブザーが鳴った。私と由紀は丼のお店に移動して食べ物をとりに行った。行くとすぐに用意されていてブザーを返して自分のテーブルへと戻っていった。
瞳「お帰りー。」
私たちは瞳のテーブルの上においてある食べ物を見て脚を止めた。なにこの量は? ステーキとハンバーグ。二つ頼んでいる。ご飯も二人分って…。
亜弓「それ、一人で食べるの?」
瞳「うん! これでも少ない方よ。」
由紀「す、すごいね…あは、あははは。」
私たちは苦笑いするしかなかった。あの量を食べるなんて普通では考えられない。そしてこの体系と体の軽さでもある。いったい何をしたらそういうことになるのだろうか。もうわけがわからなくなってきたよ。
真希「ご馳走様ー! …あ、ちょっと寄りたい所があったから寄って行っていいかな?」
瞳「いいよ! それじゃあ行きましょう。」
私たちは食べ終えて食器を片付けた。瞳は案の定ペロリと平らげてしまっている。なんというか…もう何もいえない。
亜弓「それで真希。何処に行くの?」
真希「すぐそこの画材屋だよ。ちょっと絵の具切らしていてね。……あれ?」
真希が足を止めた。がしかしすぐに歩き始めて一人の女性の所へと移動していった。知っている人なのだろうか。
真希「紀子先輩。」
紀子「あ、真希ー。画材買いに来たの?」
真希「はい。ちょっとお友達と遊びながらですが…。」
その女性が私たちの方を向く。なにか見覚えのある顔が目の前にいた。
紀子「あら、野球部の皆。」
瞳「美術部の菊名 紀子先輩。」
由紀「あ、私も真希からお話は聴いたことある。」
紀子先輩。そうだ、私たちと同じ学校で美術部の人だった。真希が尊敬しているって言ってた気がしたけど…この人のことかな?




