第十三話 第一部 明日はオフ
私は優勝した後、帰って家族や親戚と共にご馳走をした。皆が私のことを祝福してくれて、甲子園にも見に来てくれるといってくれた。いままで戦ってきたこと、由紀とのこともお話した。そして明日はオフをもらうことになった。私はつかれきった体をお風呂で休めた後、布団の上へとダイブした。
亜弓「ふぅ……私、甲子園に出れるんだ。」
そんなことをつぶやきながら天井を見ていた。あの時のことが鮮明に思い出せる。最初の一球から最後の一球まで…そして勝ったときの喜びを…。
ピリリリ
亜弓「電話?」
携帯から電話がかかってきた。しかしそれはアプリソフトで会議通話ができるようになったものからだった。そして電話をかけてきたのは真希だった。
亜弓「もしもし?」
真希「亜弓ー。聞こえる?」
亜弓「聞こえるよ。」
真希の声が聞こえた。私は起き上がってベットに座るように移動した。
由紀「やほー。」
瞳「こんばんわ。」
由紀と瞳の声も聞こえてきた。
真希「ごめんね突然。実は明日のオフを使って四人でお出かけしようかなって思っているのだけどどうかな?」
お出かけのお誘いだった。たしかに私たち大きなオフをもらって出かけたことってあまりなかったはず。四人で出かけるのも初めてかもしれない。
瞳「私はいいよー。」
由紀「行きたい行きたい!」
瞳も由紀も行きたいって言ってる。私も行きたかったし…。
亜弓「私も行くよー。」
真希「それなら決定ね。そしたら…何処行きたい?」
瞳「私、リーフタウン行ってみたい!」
リーフタウンってたしか電車で20分の場所にある大きなデパート、アウトレットモールだったはず。それなら買い物も遊戯もありそうだからいいかな。
由紀「私はいいよー。」
亜弓「私も…。」
真希「わかった、リーフタウンね。そしたら明日の朝9時集合でどうかしら?」
瞳「賛成!!」
亜弓「明日楽しみにしてるね。」
由紀「こうやって出かけるのも久々、しかも四人で出かけるのは始めてかも。」
真希「そうだね。それじゃあ明日はよろしく!」
真希の一言で皆が電話を切った。私は携帯を少し見つめた後、また上を向いてねっころがった。
亜弓「皆とお出かけかぁ…。」
楽しみで仕方がなかった。




