第四話 第十部 胸を触れば平手がとんでくる。
真希「温泉大きいらしいよ。露天風呂もあるなんて最高ね。」
瞳「それはいいね! 露天風呂は絶対に行こう。」
由紀「今日の疲れが一気に取れるよ。」
亜弓「由紀、温泉の中でもはしゃがないでよ。」
私たちは楽しく会話しながら服を脱いでいった。
瞳「あ、亜弓と由紀、少し腹筋が見えてきてるね。」
亜弓「えっ、そうかな?」
由紀「それは瞳が言うことではないでしょ。皆、瞳の腹筋見てみてよ。」
私たちは瞳の腹筋をみると、釘付けになる体が見えていた。
真希「これは…すごい。」
瞳「やせているから腹筋が浮き出ているだけだって。」
亜弓「やせているだけでこんな腹筋は作れないよ。」
由紀「これは努力の賜物によってできたものだよ。きっと見せるだけの腹筋じゃないし。」
瞳「ありがとう。」
由紀「それじゃあ入りますか。」
真希(………胸の話題は一切出てこないんだ…。)
ガラガラ…
三由「お、来た来た。」
美琴「三由、変なことしないでよ。あっ、お先に失礼してるよー。」
三由「ぐへへへ、今年の一年生はどんな体格なのかしら。」
真希「って言ってるそばから何しようとしてるの!」
千恵美「おまわりさん、アイツです。」
恵美「よし、通報ね。」
三由「ちょっと! 本当に携帯出さないでよ!」
瞳「先輩たち、にぎやかですね。」
由紀「仲がすごく良いよね。」
真希(この二人、何やられそうなのか全く分かっていないの?)
亜弓(由紀、解釈が間違ってるよ。)
そんな会話もありながら、私たちは体を洗い始めた。
由紀「明日から本格的な練習か。怪我には気をつけてね。」
亜弓「由紀もね。」
美琴「うちの監督さんってけっこういろんな場所で練習するよね。」
三由「うんうん。」
美琴「だからいろんな場所の名産品とか特産物とか食べれたり見れるから、きっと監督は私たちの気持ちも考えてくれているみたいだよね。」
三由「そうだよねー。」
美琴「それでさー、…あれ? 三由が隣から消えている……あ、こら!!」
千恵美・恵美「あっ…。」
三由「ゆーき!!」
モニュ。
由紀「ぎゃぁぁああああああああああああああああああああああああ!!!!!」
由紀が三由先輩に後ろから胸をもまれた。しかも思いっきり。
バシィイイイイン!!
そして由紀は、思いっきり三由先輩に平手打ち。ものすごい良い音が温泉内に響く。ものすごく…痛そう。
由紀「な、ななな、何しているんですか先輩!! 変態!! 犯罪ですよ!!」
三由「ほら、スキンシップスキンシップ。」
由紀「もう、先輩なんて知りません!」
そういって由紀は顔を赤らめながら頭を洗い始めた。
千恵美「三由先輩、ざまぁです。」
三由「うるさいつるぺた!!」
千恵美「なんですってぇ!」
恵美「さわがないの千恵美。それに三由先輩、由紀がげきおこプンプン丸ですよ。」
千恵美「あんたにいわれたくないわ! でっかいからってなにドヤ顔してるの! それにげきおこって何!?」
三由「それじゃあ亜弓を…。」
ものすごい寒気がした。や、やめてほしい。
美琴「やめなよ、もう。」
亜弓「あっ。」
私は隣からものすごい殺気を感じた。それはこの世の人間とは思えないほど恐ろしいものだった。
三由「えっと…その…。ごめん。」
そういって三由先輩は風呂に戻っていった。なんかちょっと嬉しいような寂しいような。
瞳「それじゃあ私は先に入りますね。」
三由「おわっ、これは筋肉モリモリマッチョな体格!」
美琴「モリモリでもないしすごいマッチョなわけでもないけど、たしかにすごいね。」
瞳「あ、ありがとうございます。」
千恵美「よし勝った!」
恵美「低レベル…。」
千恵美「チッ。」
真希「あ、瞳は胸のことは全く気にしていないらしいですよ。」
千恵美「あっ、そうなの…。」
真希「それじゃあ私も…。」
三由「おおっ!? これはモデル体型! しかも胸!」
真希「そんなことないですよ。まだまだ身長伸びたりとか成長しているので大変です。」
千恵美「くそっ…。でも、成長してるなら恵美も三由先輩もあぶないのでは?」
恵美「だ、大丈夫に決まっているじゃない。」
三由「私は嬉しいな。なんか…ぐへへへへ。」
私は……この空気に入り込むことが、できなさそう。あと胸は…この中では真ん中ぐらいだった。