第十二話 第六十一部 椎葉姉妹と巴美羽
佐奈「二人とも、すごいセンスの持ち主ね。」
亜弓「いやいやいや、そんなことないですよ。」
由紀「えへへ。バッティングなら負ける気がしません!!」
由紀は強気だなぁ。よく自信持って言える、すごいや。それにしても…大きい。佐奈さんは170あるって聞いたけどこんなに大きく見えるとは…。真菜さんはヒールはいているけど高いものではない。元が176あるらしいから本当に大きく見える。そして細いしきれいだしスタイル良いし!
亜弓「でもなんでお二方がここに?」
真菜「女性選手が活躍しているって聞いてね。大会中に出ている人は何人かいたけど、見れる機会があるのはここしかないかなって。」
佐奈「昨日も見たの。亜弓ちゃんは綺麗な回転のストレート。しかも伸びておまけに出にくいフォーム。どうやって身につけてきたかはわからないけど相当な努力で手に入れたのね。」
亜弓「そ、そんな…恐縮です。」
佐奈「そして由紀ちゃん。」
由紀「ちゃ、ちゃんは言わないでください!!! 恥ずかしいです!!!!」
佐奈「あら、そうだったの。ごめんごめん。すごいセンス持っているね。」
由紀「あ、ありがとうございます…。」
真菜「いずれは…楽しみにしているよ。」
そう言い残して二人はかえっていった。後ろ姿を見るとものすごい威圧感というかオーラを感じる。只者には思えない何か…そう、天才のオーラが…。
レナ「本物だ!」
可奈「羽葉さんですか?」
二人の私服を着た中学生らしき二人が由紀のところにやってきた。
由紀「は、はい。そうですが…。」
レナ「私、アメリカで野球しています、レナ・エプソムです。よろしくお願いシマス! それと…日高さん、よろしくデス!」
亜弓「よ、よろしく。」
私はあまりの出来事に驚いてしまった。まさか中学生の人に名前を教えてもらえているとは。こんなことってあるのだろうか。
由紀「レナね、よろしく。」
可奈「私、秋葉可奈といいます。羽葉さんのバッティングにすっごい憧れていました。高校は松江学園に入ろうと思っています。よろしくお願いします!!」
まさかもう来年の入部希望者が来てくれているとは…。由紀は嬉しそうな顔で二人にブイサインを見せる。二人は目を輝かせながら帰っていった。これは…ファンともいえるのだろうか、ものすごく良い後輩を持った気がする。レナと可奈…。覚えていないとね。
ピリリリリ
由紀「電話、誰だろう……!」
由紀は携帯を開くと驚いた顔をしてゆっくりと耳にあてた。
?「やっほ! 試合見てたよ。ナイスバッティングだったね。甲子園おめでとう!」
由紀「ありがとう…。あなたはどうなのよ。巴美羽。」
巴美羽「私のところはダメ。やっぱりチームがダメだと行けないね。うちが投手で投げて打てば勝てるよ。あ、でも私は内野手だからな。」
巴美羽? いったい誰なんだろう。
由紀「練習してるの?」
巴美羽「んにゃ、別に。」
由紀「そんなんだから甲子園に行けないんだよ。」
いきなり由紀が暗い声に変わった。えっ? ええっ!? 通話の中で何が起こっているの!?
巴美羽「よく言うねー。練習してもホームランの打てない貧弱さん。」
由紀「甲子園に出てない人が何を…。」
巴美羽「まあ来年は見ておきなさいよ。今回は素直に応援するから。」
由紀「はぁ……そういうところがあるから憎めないのよね。ありがとう、頑張ってくるよ。」
巴美羽「飽きたから通話きるねー。じゃ!」
由紀「何が飽きたよ!!」
ブチッ
最後は仲良く終わるのかなと思ったらまた怒って切った。…いま通話した人は何を言ったのだろうか…。由紀がそれだけ怒るような人なのだろうか…。
亜弓「ねえ、さっきの人って…だれ?」
由紀「来谷里 巴美羽。私がソフトボール時代に全国代表に選ばれた一人よ。プレーは最高だけど選手としては最悪な人ね。」
来谷里 巴美羽。いったいどんな人なのだろうか…。気になるし由紀の言動を考えると何かあったのだろう。




