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ドクターK少女  作者: レザレナ
第十二話 いざ、決勝へ! 対 東光大付属越谷高校
426/835

第十二話 第五十九部 敵の思い、校歌、涙。

富坂「……。」

近沢「…整列しよう。」

富坂「俺たちさ…恵まれているよな。」

山下「…恵まれている?」

富坂「だってさ……最後にこんだけ強い相手と戦えたんだぜ…。」

梅岡「そりゃそうだけどよ…。」

富坂「でもまあ…悔しいものは……くやしいよな…。」


 私たちが喜んだ後、整列をしようとした。しかし目の前には涙を流している人たちがたくさんいた。悔しい顔をしている人もいればすがすがしい顔で泣いている人もいる。……ここまで勝ち上がってくるまでどれだけの人の涙を見てきたのだろうか…。私たちは埼玉県球児全員の意思をついで甲子園で戦わなければならないのか…。それが甲子園に行くことの重さになる。今の気持ちはとても嬉しい。優勝できて仲間たちと甲子園にいけることがものすごく嬉しい。でも…なにか悲しい部分もある。特にこの決勝では痛いほど相手の気持ちが伝わってくる…。

審判「礼!」

皆「あらっしたぁ!!」

 挨拶を終えると相手選手たちが握手を求めてくる。

富坂「さすがだぜ。府中、甲子園で暴れてこいよ。そして…プロにいけよ。」

府中「ありがとう。精一杯やってくるよ。」

早田「……がんばれよ…ううっ…。」

海鳳「わかりました…。必ず県代表として恥ずかしくない試合をしてきます。」

 そして私の目の前にはあの先発投手、萩がいた。

萩「すごいなお前。良い物持っているな……体は大事にしろよ。そのピッチングを甲子園で俺たちに見せてくれ。」

亜弓「……はいっ。」

近沢「羽葉って言ったよな。……プロに入れよ。」

由紀「プロ……はい!」

 挨拶が終わると私たちは後ろにもう一度整列して校歌を歌い始めた。私はここで初めて甲子園に行くという実感があふれ出した。そして…涙が流れ始めた。


松江学園 校歌


 時代を繋ぐ千本松原

 胸に宿望の炎ともし

 友と手を取りあい 助け合い

 無限の空に いざ 羽ばたかん

 希望と誇り 松江学園


皆「っしたああ!!」

亜弓「…っしたぁ!」

 私は涙を流しながら校歌を歌った。そして歌い終わると一斉に走り出してスタンドまで移動する。

「よくやった!!!」

「甲子園だ! 甲子園だ!!」

 スタンドでは大きな声援が聞こえてくる。皆の前で最高のピッチングが出来て嬉しい…本当に嬉しい!

由紀「亜弓……ここまで来たんだね。」

亜弓「うん…。あとは優勝だけだね…。」

由紀「言うねー。前の亜弓だったそんなこと言わなかったのに。」

亜弓「そうだね…。でも今は…!」

由紀「そうだね!!」

 私は由紀の手を強く握ってお辞儀した。

皆「ありがとうございました!!」

亜弓・由紀「ありがとうございました!!!」


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