第十二話 第四十七部 館川対クリーンナップ
芦毛「館川。」
館川「なんでしょう。」
芦毛「次からはクリーンナップからだ。しかし恐れるな、お前ならいける。自分に自身を持って投げれば抑えられる。俺にはわかるぜ、たとえヒットを打たれても気にするな。この回は0に抑えられるからな。」
館川「わかりました。任せてください!」
館川はグローブをポンと叩いてマウンドに向かっていった。そして選手の交代が告げられる。キャッチャーに代わったのは館川。府中先輩はそのままライトに移動して沖田がベンチへと戻ってきた。
府中「よし、声出していくぞ!」
皆「しゃああ!!」
八回の表の守備、皆の声がグランドに大きく響く。そしてバッターは三番の富坂が入った。
近沢「自由に打て!」
富坂「言われなくてもわかっているさ!」
向こうは残されたチャンスを狙ってくる。どんな小さなスキでも仕掛けてくるだろう。館川、この回を抑えればかなり良くなるよ!
シュゴオオオオ バシーン!
ストライクワン!
富坂「ストレートは横から来るか…。それに打ちにくい軌道か…。」
ググググッ バシン!
ストライクツー!
友亀「ナイスピッチング!」
館川「(館川のリードも的確だな、狙ったところに投げられる気がする。)」
富坂「(とにかく甘い球が来るまでは粘らなければ!)」
シューーー グンッ ギィン!
ファールボール!
館川「あれを当ててくるのか。」
シュゴオオ ギィン! ガシャン!
ファールボール!
富坂「っぶねえ。」
あのサイドから投じられる厳しい球まで当ててくるのか。厄介にもほどがあるほど嫌なバッターである。
ググググッ
富坂「(こいつだ!)」
ギィイイイン!
府中「オーライ!!」
打球はライト前への高いフライになった。風に気をつけながら府中先輩は落下点へと移動する。大きく腕を広げると捕球体勢に入った。
バシン アウト!!
富坂「くそっ!」
友亀「ワンアウトー!」
ライトフライに打ちとってワンアウトになった。次は四番の近沢がバッターボックスに入る。大きく深呼吸をするとバットをピッチャーの方に向けた。
近沢「しゃああ!!」
大きく雄たけびをあげると大きく構えた。




