第十二話 第四十五部 背中を後押し
館川「府中先輩、球筋はどうでしたか?」
府中「力みも特になくきれいな球が投げられていたぞ。緊張の様子も全く見られなかったし。次の回もしっかり投げてくれ。」
館川「ありがとうございます!」
館川はいろいろと大きな大会で勝ち抜いてきた選手の一人だ。こういう場面は幾度となく経験していることだろう。
由紀「皆さん! もっと気合入れていきましょう! 芦毛先輩の投球は絶対に無駄にさせないように!」
卜部「もちろんさ。よし! どんどん向かっていくぞ!」
次は九番の栗山先輩からだ。相手投手もかなり疲れてくるところだろう。たたみこめばもう逆転されることや追いつかれることはないだろう。がんばってください!
栗山「(自身をもて、さっきは打てたんだ。)」
栗山先輩がバッターボックスで大きく深呼吸して構えた。
萩「(後ろには先輩たちが守っている。だから最後まで投げて…!)」
シュゴオオオオオ ブン ズバーン!
ストライクワン!
栗山「(さっきより速い!?)」
府中「ここで気合入れてきたのかよ。あきらめ悪いいやなピッチャーなことだ。」
シュゴオオオオ ギィイイン!
海鳳「捕らえた! けど…飛ばない?」
栗山「なんでだ?」
ボールはセカンドへの高いフライになった。ゆっくりと構えて捕球体勢に入る。
バシン アウト!!
早田「オケ! ナイスピッチ!」
富坂「ワンアウト!!」
相手もまだまだ負けられない気持ちがピッチャーの背中を後押ししているのだろうか。本当に最後まで気が抜けない試合になりそうだ。




